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確定申告間近、カード納税の魅力が薄らぐ手数料

便利になるけど、カードポイントなどと相殺
 経営者や個人事業主の方は、もう確定申告を済まされたろうか。期日は毎年同じ15日。風物詩と呼ぶにはいささか事務的だが、この時期の恒例行事だ。6年前の東日本大震災は直前に発生したため、被災地では4カ月から1年間程度の猶予期間を設けた。

 国税庁によれば2015年分の所得の確定申告をした人は2151万人で、ほぼ国民の6人に1人。高額医療費で還付を受ける人も多いので、源泉徴収のサラリーマンにも無縁ではない。

 今年の変更点は大きく二つ。ひとつは申告にマイナンバーが必要になったこと。もうひとつは、国税のクレジットカード納付が可能になったことだ。カード納税は1月に始まっているが、3月の税額確定で利用者の急増が見込まれる。

 住民税の一部前納に相当する「ふるさと納税」も多くがカード払いに対応する。所得税は小さな額ではないので、キャッシュレス化の進展はカード会社にとってもチャンスのはず。

 ただふるさと納税と違って、国税のカード納付は1万円あたり82円(消費税込み)の手数料が課される。これでカードのポイント等が相殺されるので納税者にとって魅力は薄い。まあ便利になるのだから仕方ないとため息をつきつつ、申告はお急ぎを。
日刊工業新聞2017年3月9日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
この記事はカードポイントに異常に執着している記者が書いています。

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