スズキの相良工場が9年目にして初めてフル生産になったワケ

欧州用スイフトの輸出が増える。稼働直後のリーマンショックから悲願達成

 スズキの小型車の主力工場である相良工場(静岡県牧之原市)の月産台数が3月に2万台を超え過去最高となる見通しだ。国内販売が好調なことに加え、欧州向けに輸出する新型「スイフト」の生産が始まった。同工場の生産能力は年間24万台規模。2008年の稼働直後にリーマン・ショックに見舞われて以降、稼働率低迷が続いた同工場にとって悲願のフル生産となる。

 相良工場は3月に約2万3000台の生産を計画する。台数を押し上げるのは1月に全面改良した新型スイフト。新型車効果による国内での販売増に加え、欧州向けの生産を始めた。新型は従来、ハンガリー工場で生産していた欧州向けを相良工場からの輸出に切り替えたため、生産台数が大幅に増えた。

 相良工場は軽自動車が中心だったスズキが“世界の小型車メーカー”を目指し、08年に稼働した。

 しかし直後のリーマン・ショック、その後も円高や東日本大震災など逆風が続き、生産台数が年間10万台を切るなど稼働率が低迷していた。

 スズキは19年度を最終年度とする中期経営計画で、小型車の強化を掲げた。「ソリオ」や「イグニス」、スイフトと新型車を積極投入し、目標の国内販売10万台は16年度の達成が確実視される。一方、世界最適生産を進めており、欧州向けスイフトの相良工場への集約もその一環。
新型「スイフト」と鈴木俊宏社長

日刊工業新聞2017年3月8日

明 豊

明 豊
03月09日
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相良工場の増産に対応するため16年夏には操業開始以来、初めて生産シフトを昼のみの1直から昼夜2交代勤務制とした。さらに3月は残業や休日出勤を行い、期間従業員も募集して増産に対応している。

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