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アルツハイマー病予防、ホップの苦みに効果

東大などがマウスで発見
 東京大学大学院農学生命科学研究科の中山裕之教授と学習院大学、キリン(東京都中野区)の研究グループは、ビール原料のホップが生む苦み成分「イソα酸」に、記憶障害などの症状を伴うアルツハイマー病の予防効果があることをマウスの実験で突き止めた。同病を持つマウスにイソα酸を含む餌を与えたところ、同病の原因とされる異常なたんぱく質「アミロイドβ」(Aβ)の脳内での沈着量を低減できた。

 過去の研究で、赤ワインに含まれるポリフェノールに認知症予防効果があると報告されている。同様にビールやノンアルコールビールの適度な摂取が、アルツハイマー病予防につながる可能性がある。成果は米科学誌ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー電子版に掲載された。

 加齢とともにAβが脳内に沈着する遺伝子改変マウスに、イソα酸を0・05%含む餌を3カ月間食べさせた。その結果、イソα酸を含まない餌を食べた群と比べ、脳内のAβの沈着量が3―5割程度低下した。

 分析の結果、脳内の老廃物や異物を除去する細胞「ミクログリア」がイソα酸により活性化し、Aβの沈着が減ることが分かった。
日刊工業新聞2017年3月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
お酒は得意な方ではないので、これからはノンアルコールビールを多く飲むようにしようかと。

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