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全国の避難所へ正確に誘導します! ゼンリン子会社が地図データの機能拡充

登録件数を18万件に増やし逃げ込む場所も表示。SNSアプリと連携促す
 ゼンリンデータコム(東京都港区)は、全国の避難所や医療拠点などを網羅した詳細避難地図「全国避難所データベース」の登録件数を、11万件から15万件に大幅拡張した。政府の災害対策基本法の改正に伴い、約10万件の避難所を入れ替えた。避難所の住所だけでなく、入り口や逃げ込む場所なども登録。正確な避難誘導システムの開発に活用できる。2018年に主要なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)すべてへの採用を目指す。

 全国避難所データベースは避難所の位置や標高、定員などを網羅した。避難拠点は70以上の種類があるが、一時避難場所や帰宅困難者受け入れ施設、病院など7種類に分類し、地震発生直後とその後の避難など、場面に応じた誘導ができるようにした。収容数に応じた施設ごとへの割り振りも可能になる。

 公園の入り口や周辺環境を人手で確認して、逃げ込む先として登録している。経度と緯度だけで避難誘導ルートを計算すると、河原や大型公園は敷地の中心に誘導してしまう問題があった。津波避難ビルなども入り口に向けて最短ルートを提案できるようになる。

 災害対策基本法の改正に伴い、自治体が登録している避難所が大幅に変更された。現在、各避難所の入り口などの確認を進めており、15年度中に完了させる。

 地図アプリや観光アプリに防災機能として搭載すれば、普段使っているアプリで避難誘導できる。主要なSNS事業者に対して採用を促していく。
日刊工業新聞2015年05月29日 電機・電子部品・情報・通信
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
いずれウエアラブルにも搭載されるだろう。

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