近畿大の研究用原子炉、来月にも再稼働。新規制で初

 近畿大学が大阪府東大阪市に持つ研究用原子炉(出力1ワット)が、早ければ3月中にも再稼働する見通しであることが分かった。近畿大は再稼働に必要な行政手続きについて3月中の完了を目指している。研究用原子炉が再稼働すれば東日本大震災後に国が定めた新規制基準下で初めて。

 国内の大学では、近畿大のほか京都大学が研究用原子炉を2基保有する。2011年の東日本大震災以降、新規制基準への対応のため大学の研究炉などはすべて停止している。

 再稼働には機器の保守管理体制を調べる「保安検査」や審査通りに機器や設備が動くか調べる「使用前検査」などへの合格が必要となる。国の原子力規制委員会は3月中旬に一連の検査を予定。合格すれば再稼働へ向けた準備が全て整う。

 近畿大は非常時に原子炉内へ挿入して核分裂を抑える「独立中性子吸収体」の新設や防火扉の強化、信号ケーブルごとに別の鉄管に収め直す「重要機器の信号ケーブルの隔離」、竜巻が発生しても核燃料が飛ばされないようにする「固縛治具」の設置などの対策を講じた。

 再稼働すれば学生が実際に原子炉を動かしてオペレーションを学べる。これまで実習には韓国・慶熙大学校の研究用原子炉を借りていた。

 規制委は16年4月に、近畿大の原子炉と京大が大阪府熊取町に保有する出力100ワットの臨界実験装置について、事実上の合格証となる審査書案を承認。原子力委員会と文部科学相の意見を聴取し、5月に正式決定した。ただ、審査は大幅に遅れており、研究活動に支障が出ている。

日刊工業新聞2017年2月23日

明 豊

明 豊
02月27日
この記事のファシリテーター

近畿大学原子力研究所は1960年に設立。61年に日本初の民間・大学原子炉として運転を始めた。同大の学生をはじめ、大阪大、神戸大、名古屋大、九州大など9大学の学生が原子炉教育・訓練などに使っている。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。