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NHK「超絶 凄ワザ!究極のボンベを作れ!」 いよいよ今夜決着

ツツミ産業VS北嶋絞製作所 企業秘密だらけの新技術を本邦初公開
NHK「超絶 凄ワザ!究極のボンベを作れ!」 いよいよ今夜決着

ついに耐圧テスト本番。耐えられなければ硬い金属もはじけ飛ぶ?驚きの結末に一同驚がく!? 

 深海1万mと同じ1000気圧に耐える、かつてない頑丈なボンベを作れ!挑むのは、大手メーカーから試作を託される板金加工会社。企業秘密だらけの新技術を本邦初公開!?

 対するは、へらと呼ばれる器具1つで金属を自在に変形させるへら絞り職人。ロケット部品の製造も行うリアル下町ロケットだ。今回、スタジオで職人技を実演。最後は超高圧にかけて、耐圧テスト…耐えきれなければ、爆音と共に砕け散る運命。勝つのはどっちだ?

◆出場チーム


【チーム試作屋】ツツミ産業株式会社(神奈川・相模原)
 大手家電メーカーが手がける販売前の製品「試作品」の部品を手がける試作専門の板金加工メーカー。デジカメやコピー機、テレビ、カーナビなど、様々な製品の試作を手がけてきた。

 開発方法自体を手探りで編み出し、試作品にこぎ着ける中で培われた粘りと創意工夫で挑む。

【チームへら絞り】北嶋絞製作所(東京都・大田区)
 へらと呼ばれる棒を回転する金属板に押し当て加工する「へら絞り」業界でトップレベルの実力を持つ。H2Aロケット、大型旅客機、半導体の製造装置など、日本のものづくりを語るに欠かせない製品に携わる。

 その加工精度は実に100分の一ミリ単位。下町ロケットを地で行く職人達が高い精度を武器に挑む。
チタン合金は曲げるだけでも大変。職人魂で前人未到の難加工に挑む! 

◆ルール


球体タンクを製作し、より高い圧力に耐えたチームの勝利
球体のサイズ
・直径(外径)20cm
・厚さ 5mm以内
・素材 自由
試作屋魂に火がついた社長。驚きのアイデアで挑む。

 ロケットの部品製作にも携わる日本屈指のへら絞り職人軍団

大きな製品を絞るときは複数の職人がいかに息を合わせられるかが勝負

自慢のプレス機でも開発難航。締め切りが迫るチーム試作屋…間に合うのか? 

チーム試作屋の秘策…最後は職人の勘!?

<対決企業はこんな会社>


マグネシウム素材のアタッシェケース


 ツツミ産業(相模原市緑区、堤健児社長)は、マグネシウム素材を使ったオリジナルブランド「75Mg」を立ち上げ、第1弾としてアタッシェケースを発売した。板金試作で培った熟練の加工技術を駆使し、表裏とも1枚のマグネシウム板で仕上げた。消費税込みの価格は67万5000円。東京都内の百貨店などで購入できる。

 百貨店のバイヤーの意見を基に、初めて自社商品を開発した。標準サイズは高さ340ミリ×幅420ミリ×奥行き55ミリメートル。重さは1・6キログラム。

 色は茶、黒、シルバーの3色。素材には、実用的な金属の中で最も比重が軽いといった特徴を持つマグネシウムをほぼ100%採用。軽くて丈夫なのが売りだ。無音開閉式のロック機構や気密性、持ち手などにもこだわった。

 ツツミ産業はカメラや複写機の部品などの試作品を手がけ、創立50年を迎えた。マグネシウムは熱加工時に歪(ひず)みが生じやすいが、長年のノウハウを生かし克服した。

 堤社長は「金型を使用しない板金によるマグネシウム製アタッシェケースは初めてではないか」と出来栄えに満足している。
パーツを含む全体の98%がマグネシウム製のアタッシェケース

日刊工業新聞2016年10月14日



展示会で「へら絞り」体験、参加者は難しさを実感


 脇の下にはさんだ「へら」に力をかけると、ステンレスの円板がおもしろいように形を変えていく。22日までのJIMTOF期間中、東7ホールでは「へら絞り」を実体験(写真)できる企画展示が開かれている。

 へら絞りとは、成形する金属板を回転させながら、へらと呼ばれる棒で金型に押しつけて形を作っていく加工法。すべて人間の手でへらを使いこなす必要があり、難しい。一人前になるまで10年はかかるという。

 企画展示を受け持つのは北嶋絞製作所(東京都大田区)。2人の職人が、参加者をサポートしてくれる。北嶋貴弘社長は「均等に金型に押しつけるにはコツがいる。力を入れればいいというものではない」と説明する。

 実際に体験すると、どう力をかけると、どう変形するのかという感覚がつかみにくい。会場には直径2・5メートルのアルミ製パラボラアンテナが展示されており寸法誤差はプラスマイナス0・3ミリメートル以内に抑えた。「材料をだめにしてもいいからとにかくやってみることが上達の秘訣」(北嶋社長)だ。

 参加体験したシチズン時計マニュファクチャリング(埼玉県所沢市)の稲田弘明さんは「以前から興味があった。介助されてなければできなかっただろう」と話していた。

日刊工業新聞2016年11月21日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
いよいよ今日後編です。どんな結果になるか楽しみ。

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