ANAの新社長は「部下からすると、ちょっとうざい」国際派

渦中のメキシコに直行便、国内航空会社で初

 全日本空輸(ANA)は15日に成田―メキシコシティ線を就航した。国内の航空会社がメキシコ直行便を運航するのは初めて。同路線は1日1往復の運航で、機材は米ボーイング787―8型機を使用。ビジネスクラスとエコノミークラスの2クラスとなる。就航記念式典で篠辺修社長は「メキシコへの日系企業進出は、この5年間で約2倍に拡大している。直行便の就航で両国の経済的な結びつきがさらに深まる」と述べた。同路線の就航で、ANAの国際線就航都市は42都市となる。

 メキシコはここ数年、自動車関連を中心に企業の進出が相次いでおり、ANAはビジネス渡航の拡大を見越して直行便を開設した。ただ、トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を表明し、米国への輸出を目的にメキシコに進出する企業への圧力を強めている。今後のメキシコの投資環境は不透明で、旅客需要に影響を及ぼす可能性もありそうだ。

≪平子裕志氏の素顔≫


 営業や財務の部門が長いが、12―15年のニューヨーク支店長時代には、ANAが国内線から国際線へのシフトを鮮明にする中、路線拡大に奔走した。篠辺社長は後継の条件を「今後の国際線の展開を考えれば、国際経験をもっていることが重要」とした。

 自身の性格を「腹に落ちるまでとことん議論するタイプ」と分析。「部下からすると、ちょっとうざいかもしれない」と笑う。ニューヨーク時代には「現地のスタッフと直接対話し、互いに言いたいことを言い合った」と話す。忌憚(きたん)のない議論が実を結び、ANAの米国路線は、平子氏がニューヨーク支店長に就任した際の8便から、離任時には13便に拡大。米国内の支店も6支店から9支店に拡大するなど、現在の国際路線拡大の基盤を築いた。

 趣味は音楽鑑賞。休日にワーグナーやベートーベンなど、壮大な音楽を聴いて仕事の疲れを癒やす。

【略歴】
平子裕志氏 81年(昭56)東大経卒、同年ANA入社。11年執行役員、15年取締役執行役員。大分県出身。


(文=高屋優理)

日刊工業新聞2017年2月16日/17日

明 豊

明 豊
02月20日
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平子氏は営業や経理などを担当し、ニューヨーク支店長として米国路線の拡大に貢献した。ANAは国際線事業を成長の柱と位置づけており、その海外経験が評価された。社長交代について篠辺社長は「19―20年の首都圏空港発着枠拡大を前に、17―18年は若干の踊り場に入る。新しい力で次の飛躍を図るには、このタイミングがよいと判断した」と話している。

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