中心部だけ詳細な「タカの目」イメージセンサー、独シュトゥットガルト大が開発

3Dプリンター使い、センサー上にレンズを直接作製

 タカをはじめとする捕食動物の目にヒントを得て、視野の中心部だけ解像度の高い詳細な画像を写す小型イメージセンサーが、独シュトゥットガルト大学の研究チームによって開発された。同時に、複雑な構造を持つセンサーのレンズについても、3Dプリンターで短時間に製作できることを実証した。近い将来、内視鏡や光学センサー、監視用ドローン、セキュリティーカメラ、ロボットビジョンなどへの応用が想定されるという。

 人間や動物の目は、網膜にある中心窩(か)と言われる窪みの部分で、最高の視力を得られるようになっている。同様に、イメージセンサーでも、データ処理の負荷低減などの観点から視野全体にわたってクリアーで詳細なイメージを必要とせず、中心部だけ解像度の高いイメージが得られれば十分という用途も多い。

 そこで研究チームでは、イメージセンサーを多数のレンズを持つ「マルチ・アパチャー・カメラ」の構成とし、焦点距離に加え、視野角が20度ー70度と異なる合計四つのレンズをワンセットにして内蔵。各レンズのイメージデータを統合処理することで、視野の中心部分を詳細に映し出す小型カメラを作り上げた。実際に、単眼レンズの従来のイメージセンサーに比べて、視野の中心部でより解像度の高い画像が得られることを確認した。

 一方、複雑な構造を持つレンズについても、3Dプリンターを使って、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)のセンサーチップ上に1ステップで製作することに成功した。レンズの大きさは底面が0.3×0.3ミリメートル未満、高さは0.2ミリメートル未満。

 研究チームでは、今回開発した光学センサー技術について、ラテン語で「窪み」を意味する中心窩(フォビア)にちなみ、「フォビアテッド・イメージング」と名付けている。成果は米科学誌サイエンス・アドバンシーズに16日掲載された。

2017年2月19日付日刊工業新聞電子版
Science Advancesの論文

藤元 正

藤元 正
02月19日
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イメージセンサーが人間の目に近づいてきたと言えるが、例えばこれをドローンなどに取り付けた場合、詳しく見たい部分にイメージセンサーを物理的に向ける動作が必要になるのだろうか。

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