産業用ロボットの形が変わり始めた!その影にEMSの存在あり

省スペース化や自動化ニーズに応える。興味深い中堅メーカーの動き

 新種の産業用ロボットが急増している。不二越は上下運動が従来方式と異なる水平多関節(スカラ)ロボットを開発した。セイコーエプソンはアームを折りたためる珍しい形状の垂直多関節ロボットを提案している。このほか川崎重工業やヤマハ発動機も独自構造のロボットを製品化。電子機器工場など新たなユーザーの台頭により、固定化しつつあった産業用ロボットのイメージが少しずつ変わり始めている。

 不二越は2016年に投入した「EZシリーズ」を、“ウィングスライサー型”と呼ぶ。構造上はスカラ型だが、従来のスカラロボとの違いを明確化するためだ。

 「新カテゴリーと言えるロボット」と国崎晃ロボット事業部長は紹介する。一般的なスカラ型は先端に近い第3軸で上下運動を生み出すが、同社はアームの根元となる第1軸で上下する新構造を採用。アームが細身になり省スペース化、高速化できるのが特徴だ。

6軸垂直多関節型、4軸スカラ型の常識が変わる!?


 セイコーエプソンが16年に発売した垂直多関節ロボット「Nシリーズ」は、第1軸と第2軸をつなぐアームが滑らかな曲線を描く斬新な形状だ。この新構造により、アームを無駄なく折りたたむことが可能。このため、限られたスペース内で柔軟に動作することができる。

 両ロボットの主なターゲットが、電子機器受託製造(EMS)企業だ。大量の従業員が立ち並ぶ工程を自動化するには、省スペースなロボットが不可欠。近年拡大が顕著なEMS関連の自動化需要が、新種のロボットを生み出したと言える。

 これら2社以外でも、川重が双腕型のスカラロボット、ヤマハ発が7軸垂直多関節ロボットと新構造の製品で攻勢をかけている。いずれもEMS企業などがターゲット。独自構造による省スペース化性能などが売りだ。

 これまで、産業用ロボットは6軸垂直多関節型、4軸スカラ型が主流で、それぞれ基本構造もメーカーごとに大差はなかった。だが、昨今の利用領域拡大に伴い、新たな形が生まれつつある。

 興味深いのは、ロボット2強のファナック、安川電機ではない中堅メーカーなどから新タイプが発信されていることだ。チャレンジャー精神から生まれたロボットたちが、ユーザーにどれだけ受け入れられるかに注目したい。
(文=藤崎竜介)

石橋 弘彰

石橋 弘彰
02月19日
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産ロボは新たな用途開発を進めているところ。用向きが変われば形が変わるのも必然と言えよう。どんな形のロボットが出てくるか楽しみだ。素材も炭素繊維強化プラスチックやアルミニウムなど多種多様なものがでてくるかもしれない。産ロボのあり方が変わるかもしれず、興味は尽きない。

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