「東証2部になったとしても財務基盤固めが大事だ」(東芝幹部)

半導体メモリー分社の役割、単なる延命から抜本的な再生にシフト

 「3月末という期限が最大のネックだ」―。半導体メモリー事業の分社と外部出資の受け入れを決めて以来、東芝幹部は何度もつぶやいた。3月末の債務超過回避という最重要課題と、急げば買いたたかれる懸念のはざまで「いかに高く買ってもらえるか」の出資交渉は難航した。

 しかし状況は一変。外部からの出資比率を、当初の2割未満から過半まで引き上げる検討を始めた。より多額の資金を調達するため、出資提案の再募集や3月末としていた株式の売却期限の先送りも視野に入れる。

 そうなれば3月末の債務超過が避けられず、東芝株は東証1部から2部へ降格になる。しかし「年度末にはこだわらない。2部になったとしても財務基盤固めが大事だ」(東芝幹部)。メモリー分社の役割は単なる延命から、抜本的な再生の要にシフトした。

 3月末の足かせが外れることは、メモリー事業にとっても転換点だ。東芝のNAND型フラッシュメモリーは世界シェア2位。特に今後の主力に据える3次元構造NANDは積層した記憶素子を貫く高度な技術が必要で、下位メーカーの追い上げは難しいとされる。

 最低でも毎年1000億円規模の投資をしなければ勝てない世界。ガートナージャパンの清水宏之主席アナリストは「事業継続には資金確保が最重要。

 東芝が抱える場合は赤字解消が必須だった」とする。株式売却時期の先送りは、最善のパートナーと組むチャンスともいえる。ただし東芝の経営は一段と厳しさを増す。

 去る9日、メモリーの生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)で、新棟の起工式が開かれた。関係者の前で、成毛康雄副社長は「今後もメモリー市場で勝ち抜き、市場をけん引していく」と宣言した。

 後ろ盾を得るためのパートナー探しは、新たなステージを迎える。離れていくメモリー事業と残される東芝の明暗は、まだ分からない。
               

日刊工業新聞2017年2月17日

明 豊

明 豊
02月17日
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最終的に東芝の出資がどこまで残るかまだ分からないが過半以上売却するのは確実だろう。ビジネス的な組み合わせで一番の理想はマイクロンだと考える。それにトランプ大統領に「次ぎの工場は米国に作ります」と言える。

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