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「スバル360」を復元、ソフト開発会社が機械いじりをする理由

アイシン・コムクルーズ、ハードも学び自動運転で新しい知見深める
「スバル360」を復元、ソフト開発会社が機械いじりをする理由

「スバル360」のレストアに取り組む

 アイシン・コムクルーズ(名古屋市中村区、加藤喜昭社長)は、新たな知見を意識したモノづくりの活動を始めた。自動運転電動カートの製作やロボットの研修利用、歴史車両のレストア(復元)など専門の組み込みソフトウエア開発以外の企画を通じ、技術力の向上や人材育成に結びつける。自動運転など技術の進歩が早まる中、周辺技術の取り込みも進める。

 2月に設立10周年を迎えたのを機に、将来を見据えたモノづくりの活動「Taccmi(タクミ)」を企画した。アイシン精機グループでソフト開発を担う機能専門会社だが、技術者の厚みを増すため新企画でハードウエアの知見も深める。

 自動運転電動カートの製作は、17年に開催予定のレースへの参戦を目指して進める。ソフト開発力を生かし、自動走行や電動化の要素技術を盛り込んだ車両を完成させる。

 ロボットの研修利用では、仏アルデバランの小型2足歩行ロボット「NAO(ナオ)」を3台購入し、本社と盛岡開発センター(盛岡市)、福岡開発センター(福岡市博多区)に配置した。ロボット制御は自動車と類似した基本制御のため、新人教育や技術者以外での研修にも利用する。

 レストアでは富士重工業の軽自動車「スバル360」を復元し、試験走行もする。専門外の機械いじりに取り組み、新たな知識や見識の獲得につなげる。

アイシン・コムクルーズは1月に第1技術本部と第2技術本部を「技術本部」に統合しており、新企画も含めて部門間の連携強化や技術力を高める。
日刊工業新聞2017年2月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
最近、アイシン精機はグループ間連携も深めているが、社内での横連携も積極化しているみたいですね。

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