オーバーラン防ぐ!滑走路の積雪をリアルタイムで監視するシステム

北見工大など開発

 北見工業大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、センテンシア(東京都武蔵野市、大前宏和社長、0422・59・1215)は、空港滑走路の積雪状況をリアルタイムで把握するモニタリングシステムを開発した。埋設型センサーの発光部から地上に光を照射し、散乱の様子から雪の厚さや雪質を特定。飛行機の離着陸の安全性向上に役立てる。このほど屋外試験を開始、5年程度での実用化を目指す。

 北見工大の原田康浩准教授と館山一孝准教授、JAXAの神田淳運航安全技術研究リーダ、センテンシアの共同研究の成果。新システムは滑走路に沿って、地表の高さにガラスを置いたセンサー部を埋め込み、積もった雪を下から調べる。発光部で光を照射し、雪によって跳ね返り散乱した光の強度分布を、受光部で1分程度で測定する。

 低温室での実験では新雪、冷凍庫保存したもの、雪粒が霜に置き換わった「しもざらめ雪」などを使った。その結果、散乱光の広がりは種類によって違った。

 一方、雪厚5ミリ―4センチメートルの間では厚くなるほど広がりが大きくなった。波長を変えたり、コンピューターシミュレーションを組み合わせたりして雪厚・雪質を判別するめどをつけた。

 冬期の空港滑走路は雪や氷によって滑りやすくなる。オーバーランを防ぐため、雪厚から摩擦係数を導き、離着陸の距離が不十分な場合は欠航や目的地変更となる。

 目視や実測では手間がかかり、計測車両では空港の閉鎖やデータ処理をするうちに次の降雪で状況が変わる問題がある。道路用の積雪測定では、地上にセンサーを設置した技術が実用化されているが、空港では航空機の障害となり使えなかった。
 

日刊工業新聞2017年2月10日

昆 梓紗

昆 梓紗
02月11日
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先日、新千歳空港でのオーバーランがありました。状況をすぐに把握できれば対策も素早く行え、空港での混乱を防ぐことにもつながりそうです。

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