お菓子などに入っている「食べられません」、大幅増産のワケ

三菱ガス化学、国内生産体制を再編。福島の新工場に集約

 三菱ガス化学は食品の酸化などを防ぐ脱酸素剤の国内生産体制を再編する。従来は委託生産していたが、福島県の新工場の営業運転が始まる4月以降に自社生産へ順次切り替える。菓子などの個包装化を背景に、数量が大幅に伸びている。増産体制を敷くほか、研究開発拠点を併設する立地を生かして製品・技術開発を加速する狙いがある。醸造酒など新規用途の開発も進める。

 三菱ガス化学は福島県白河市に脱酸素剤「エージレス」の新工場を建設して月内に試運転する。研究開発棟やフィルム工場を併設し、力を注いでいる「医食」分野の一大拠点になる計画だ。

 従来の生産体制はタイの主力工場と、関東地方での委託生産だった。生産能力は明らかにしていないが、福島の新工場が立ち上がれば、国内とタイの生産量は同等になる見込み。国内はより高機能品の生産に軸足を置く方針。

 脱酸素剤の用途は菓子や畜産加工品、餅などの食品向けが大半だが、他にも医薬品や電子部品、自動車部品、絵画などの保存にも使われる。製品ラインアップも、酸素吸収機能を備えた包装フィルムやボトルまでそろえている。

 近年は急増する訪日外国人観光客が菓子などの土産物を大量購入することで、脱酸素剤需要も一時的に拡大したこともあった。

 今後は醸造酒や栄養補助食品(サプリメント)などの用途開発とともに、海外展開が大きな課題となる。欧米で長期保存の主流となる缶詰からの置き換えを狙い、軽量化などのメリットを訴求したい考えだ。

日刊工業新聞2017年2月8日

昆 梓紗

昆 梓紗
02月08日
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毎日いろいろなところで目にし、捨て行く脱酸素剤。カビの発生を抑制する縁の下の力持ちです。

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