ビジネスとしてのスケールが期待される、大学発IoT研究チームが一同に集結!

Brighten up Ventures 2017 ~社会を変える9つのIoT~

 科学技術振興機構(JST)は学生等の若手研究者によるベンチャー創出を支援する。IoTに関する技術シーズを持つチームを9チーム、ロボティクスに関するチーム4チームを選出。3月9日に秋葉原コンベンションホールにて開催される展示会「Brighten Up Ventures 2017」にてデモンストレーションとプレゼンテーションを行う。

健康サポート、ドローンなど見どころ紹介


●IoT 型リアルタイム歩行モニタリングデバイスの開発と健康サポートサービスの展開
(お茶の水女子大学/留奥 美希)

足部評価をリアルタイムにスマー トフォンにフィードバック

 「確かなデータに基づく評価から足年齢を導きたい」という強い思いを持ち、足部や歩行に問題を抱える人、自分に合った靴を見つけるのに苦労している人の悩みを解決する。日々の歩行データから得られた足部評価をスマホやタブレットによって見える化し、ウォーキングバランスを意識して改善することが可能な仕組みづくりを目指す。これまで 1,000 人以上に及ぶ研究実績があり、そこで使用した試作品に対し更なる機能を搭載。インソールにセンサを搭載することで日常の歩行がリアルタイムに検知できる歩行モニタリングデバイスを開発した。さらに IoT 技術を取り入れることによって、日常生活でより良い足の運び方を意識できる「歩くサイエンス」を提案する。
 将来的には IoT 技術を活用し、いつでも、いつまでも「美しく健康に歩く」をユーザにフィードバックできるビジネスモデルを構築し、健康サポートサービスへの事業展開することを視野に入れている。


●離島における高齢者・在宅介護者の地域ケアシステムの開発
(香川高等専門学校/中野 克哉)

志々島在住の方にベルト型のセンサを装着してもらい実験を行った

 過疎化と高齢化が進む離島などの限界集落において、一人暮らしの高齢者などの在宅要介護者を地域全体で見守るためのケアシステムを開発する。圧電フィルムを利用した小型の高感度センサを要介護者が装着し、スマートフォンを用いて体動・呼吸・心拍の状態を自動計測することで、異常を検出した場合には、直ちに近隣住人や医療機関、離れて暮らす家族などに通達する。これにより緊急時の迅速な対応が可能になるだけでなく、平常時においては要介護者のプライバシーを守ることができ、さらに介護者の負担も大幅に軽減できる。開発したケアシステムは、香川県三豊市の人口20人に満たない志々島において、島民の協力のもと実証実験を行いその有用性を検証した。
 将来的には、離島だけでなく、都市部に暮らす在宅要介護者のケアシステムとしての展開も視野に入れている。また、在宅介護のみならず、医療・介護施設への導入によって、そこで働くスタッフの負担軽減も期待できる。

●長時間持続飛行を目的としたマルチコプターシステムの開発
(大阪大学/増岡 宏哉)

発電所等、立ち入り困難な場所でドローンの長時間運用が可能に(イメージ)

 バッテリーの持続時間が短いことによるドローンの飛行時間の短さは、ドローン市場の拡大を妨げる大きな要因である。特に、人が容易に近づけないような災害現場などでの観測作業において、この課題は致命的となる。そこで、この課題を解決するために、ドローン用空中バッテリー交換システムを開発する。補給用のドローンが飛行中の観測用ドローンの消耗したバッテリーと充電済みのバッテリーを空中で交換することによって、観測用ドローンの長時間かつ連続した飛行を実現する世界初の技術となる。2機のドローン間にケーブルを渡し、そのケーブルを介して直接バッテリー受け渡すことで、安全かつ短時間での交換を実現する。
 従来では30分程度とごく短い時間しか飛行できなかった産業ドローンは、本システムを搭載することで、長時間かつ連続的な観測作業が可能となり、市場への大きなインパクトが期待できる。また、災害現場や海洋上など着陸が難しい環境での産業ドローン運用の実現が期待できるため、原子力発電施設、洋上発電施設等の点検業務などへ応用することが可能となる。

(大阪大学開発チームのyoutubeチャンネルはこちら)
https://www.youtube.com/channel/UCdQ309rz01aiUzQyHDtXWlw


●WAISTON Belt:自動腹囲測定および姿勢・行動推定に基づく健康維持支援IoTデバイス
(奈良先端科学技術大学院大学/中村 優吾)

ベルトを装着するだけで腹囲や日々の姿勢を認識し、健康的な生活をアドバイスする

 近年、人々の生活習慣の乱れによる肥満やそれに付随する病が深刻化している。これに伴い、ユーザの生活習慣を根本から改善する仕組みを取り入れた肥満防止/改善サービスの重要が高まっている。人々が普段から身につけているベルトを用いた健康管理に着目し、ベルト装着型IoTデバイス「WAISTON Belt」を開発した。WAISTON Beltは、ユーザのお腹周りや日々の活動量、姿勢を認識し、専用のスマートフォンアプリから「もう少し歩こう」「姿勢を正そう」といったアドバイスを投げかける。これにより「人々が自身の悪習慣に気づき、自らの手で生活習慣を改善する」といった行動の変化を促進し、より健康的な日常生活を届けることを目指す。将来的には、WAISTON Beltを用いた企業の社員の健康管理事業や、フィットネスクラブとの連携によるヘルスケア事業へと展開も視野に入れている。

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