ソニー、スマホ復活のヒントは耳にあり

「ハードウエアから価値を高めていくのがソニーの強み」

 「新しいビジネスを考えなければ」。ここ数年、ソニーモバイルコミュニケーションズ(東京都品川区)の現場から、こんな声が聞かれるようになった。その解の一つがスマートプロダクトという切り口。主力のスマートフォン事業の技術を生かし、ネットワークを重視した製品だ。

 すでに成果は出始めている。音声でスマホを操作できるイヤホンマイク「エクスペリア・イヤー」や、家電の操作やインターネットの閲覧などが可能な卓上ロボット「エクスペリア・エージェント」などを開発した。

 ユーザーとの距離の近さを意識し、ソニーらしさを感じ取ってもらえる製品にこだわった。

 製品の単品売りではなく、サービスを組み合わせたソリューションビジネスも視野に入れる。取締役エグゼクティブバイスプレジデントの川西泉は「2017年頃から収益に貢献する」と自信を示す。

 「仮に売上高が20―30%落ち込んでも利益を出せる体制にする」―。社長の十時裕樹はスマホを含むモバイル事業の再建を託され、15年度に従来の拡大路線にメスを入れた。14年度に2000億円超の営業赤字を計上した失態を踏まえ、人員削減や機種数の削減、不採算地域からの撤退といった構造改革を実施した。

 改革を終えた16年。今もモバイル事業は課題事業という位置付けに変わりはない。しかし川西は「組織が変わった部分も出てきた」と手応えを感じ始めている。

 本業のスマホでは現場からの意見を反映し、付加価値の高いモノづくりができる組織に改編。エクスペリア・イヤーなどの製品開発につながった。また機種数を削減した結果、一つの製品への投資を厚くできるようになった。バッテリーや画質などの進化にも余念がない。川西は「ハードウエアから価値を高めていくのがソニーの強み」と断言する。

 ソニー社長の平井一夫は「コミュニケーションの次のパラダイムシフトを自ら生み出すには、今のスマホをやっていないとできない」と事業継続の意義を語る。ソニーが描く新しいモバイルの世界を実現するには、16年度の目標である黒字達成が必須条件となる。(敬称略)

日刊工業新聞2017年1月30日

明 豊

明 豊
01月31日
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昔からソニーのスマホ事業のカギは「プレステホン」だと思っているのだが。以前は携帯がソニーエリクソン(今はソニーが完全子会社化)、ゲームがSCEと距離が遠かった。今はプレステの資産をいろいろ横展開できるはず。

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