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テルモ、がん就労支援ルール新設。失効有給休暇の利用を1日単位に

治療と仕事の両立手助け
 テルモは24日、がん治療と仕事の両立を支援する「がん就労支援ルール」を新設したと発表した。休暇や時差勤務などを整備し、がんに罹患(りかん)した社員が治療しながら働き続けられるようにする。

 新ルールは失効有給休暇の利用を従来の1週間単位から1日単位に短縮し、通院のがん治療で休暇を取りやすくした。

 必要日数分の無給休暇を付与し(ただし30日超の連続取得は不可)、有給休暇が消化した後でも欠勤扱いにならず、翌年の有給休暇付与などに影響を与えない。

 また、勤務時間も育児や介護と同様に、がん治療についても、最大2時間の短時間勤務、勤務時間の繰り上げや繰り下げができる。新ルールはテルモ全社員が対象となる。

 テルモは、これまでもがん検診の無料化や社員・配偶者を対象とした乳がん検診の啓発などに取り組んできた。
                 
日刊工業新聞2017年1月25日
村上毅
村上毅 Murakami Tsuyoshi 編集局ニュースセンター デスク
いまや二人に一人が罹患するほどがんは身近な病だ。治療しながら仕事など普段の生活をできる限り続けることは、患者の生活の質(QOL)を高める意味でも欠かせない。ただ、そのためには周囲の理解が必要だ。企業や社会で多様性を尊重する仕組みが広がることを望みたい。

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