富豪・トランプが製薬業界を攻撃する皮肉

ロビイストが暗躍する米国で公正な取引を主張

  トランプ次期米大統領は11日に開いた会見で、製薬会社は政府に多額の費用を負担させていると批判し薬価の改革を進める意向を表明した。また海外へと拠点を移す動きが加速しているとして、製薬業界を国内に回帰させる必要があるとした。

 米国では、生死にかかわるような医薬品の価格が大幅に値上げされたことで製薬業界への批判が高まっていることを受けてのもの。トランプ氏は製薬会社を「殺人者」という表現で批判。「医薬品業界は多くのロビイストを抱え、大きな力を持つ。入札は実に少ない。われわれは世界最大の医薬品購入者だが、適切に値を付けていない。数十億ドルを削減し節約を行うつもりだ」とし、新たな入札制度を導入するという。

 トランプ氏の発言を受け、ナスダック・バイオテクノロジー株指数は3%下落し、S&P500種医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス株指数は1.7%安と、いずれも昨年10月以来の下落率を記録した。

 トランプ氏は選挙期間中、メディケア(高齢者向け公的医療保険)プログラムについて、現在は法律で禁止されている政府と製薬会社との薬価交渉を可能にするとしていた。メディケアは、製薬費として毎年数千億ドルを支出している。

安東 泰志

安東 泰志
01月12日
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利益相反が危惧されているトランプ氏が逆襲とばかりに医薬品の公正な入札による調達を進めると。ロビイストが暗躍する米国で公正な取引を主張できるのも皮肉にも富豪トランプ氏ならではかも知れない。日本の医薬業界にも影響がありそうだ。

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