今年の工作機械受注は健全な水準に戻るのか

日工会、1兆3500億円を目標に設定。IoTでビジネスモデル転換を

 日本工作機械工業会(日工会)は2017年の工作機械の受注目標額を1兆3500億円に定めた。16年実績の推定1兆2500億円を約10%上回り、3年ぶりに増加する見通しだ。先進国でのIoT(モノのインターネット)の普及、新興国での高品質製品を求める消費行動の高まりなどで、日本の高精度機の受注が伸びる。トランプ米次期大統領の就任については「米国の設備投資が回復に向かうだろう」(花木義麿会長)と需要増になるとの見解を述べた。

 10日、都内で開いた日工会の賀詞交歓会で花木会長が明らかにした。工作機械受注は月1000億円が好不調の分かれ目と言われ、1兆3500億円となれば健全水準になる。国内は円安傾向の中、設備投資を後押しする政府補助金や減税制度などが増加要因になる。海外の主要市場は米国、欧州、中国が増加するとみた。

 工作機械受注は14年の約1兆5000億円、15年の約1兆4800億円と近年は好況が続いたが、16年は4年ぶりに1兆2000億円台にとどまったもよう。16年は年初からの原油安や英国の欧州連合(EU)離脱、円高進行などが設備投資にマイナスに働き、受注減になったようだ。

ファシリテーター・八子知礼氏の見方


 (IoT対応機は)まだまだ普及してないというのが大方の見方。ということはこの水準でぬか喜びするのではなく、近年の好調期を上回る1兆5000億円の水準くらいまではいけるはず、と読む方が健全か。

 工程の刷新やIoT化の話はいくらでもあるものの、機械だけ、設備だけ入れ替える話だと旧来のビジネスモデルと変わらない。IoT特需でもなかろう。

 重要なのは新たな設備や機械が相互に繋がって、これまでの機会損失相当分を払拭して新たな受注や製造サービスを請け負うこと。それができなければ中期的にその領域にはいなかった3Dプリンターで全て片付けてしまう “MAKERS” 達にやられてしまう恐れがあるということだ。

 まだまだいける!ということを感じ、新しいビジネスモデルの開拓を掲げて、数年先以降にも勝ち続けるニッポン工作機械の“つながる”世界観を作り上げてほしいものだ。
                   

日刊工業新聞2017年1月11日

六笠 友和

六笠 友和
01月11日
この記事のファシリテーター

会場にいた5人ほどの工作機械メーカー社長に話を聞いたところ、1兆3500億円は妥当な線だとの認識でした。

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