道路の融雪が動力不要に。ヒートパイプで地中から熱をくみ上げ

有我工業所がロードヒーティング施工事業

 有我工業所(北海道上富良野町、有我充人社長)は、動力不要で地中から熱をくみ上げるヒートパイプを活用したロードヒーティング施工事業に乗り出す。約5500万円をかけてIoT(モノのインターネット)対応の小型ボーリング機を導入するなど体制を整備する。ヒートパイプはランニングコストがかからず環境に優しい面などを訴求し、2019年6月期に受注額3億円を目指す。

 産業用機械などの内部に発生する熱の放出に使われるヒートパイプを実用例の少ない降雪地帯の融雪装置として応用する。深さ約20メートルの穴を掘り、エタノール系の作動液などを入れたヒートパイプを配置する。

 地中の熱で沸点の低い作動液が沸騰し、蒸発して上昇する。蒸気が熱を放出して路面に伝わり雪を溶かし、冷やされた蒸気は液体になり地中に戻るといった動きを繰り返す。電気などの動力は必要としない。

 工事費など初期投資は高額になるが、維持費がかからず、二酸化炭素(CO2)も発生しない点が強み。投資額は10年程度で回収が見込め、長期的にはコスト削減につながる。

 専用のボーリング機は鉱研工業と共同で開発した。小型化して工事費の削減や、遠隔操作でデータ分析などもできるようにして生産性向上を図る。

 同機の導入には、子会社のアリガプランニング(札幌市中央区)がものづくり補助金のほか、北洋銀行と日本政策金融公庫旭川支店中小企業事業の融資を活用する。日本公庫旭川支店からは運転資金も含めて2000万円の融資を受けた。

日刊工業新聞2017年1月9日

宮里 秀司

宮里 秀司
01月10日
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産業用機械の内部にたまった熱を放出するヒートパイプの仕組みを応用したものです。IT機器を使う場所や工場では嫌われ者の熱ですが、見方を変えれば役に立つという逆転の発想です。

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