日産・ゴーン、ソニー・平井、パナソニック・津賀 「CES」インタビュー

「つながる技術」全面に

 米ラスベガスで8日(日本時間9日)まで開催中の世界最大の家電見本市「CES2017」。従来の主役である家電から自動車、ロボット、産業機器までテーマが広がる中、各社の打ち出す戦略に共通するのは「コネクティビティー」(つながる技術)だ。IoT(モノのインターネット)技術が普及し、今後は機器のネット接続が当然になる。重要性を増すのは、機器と人がつながるためのユーザーインターフェース(UI)だ。現地で日産自動車のカルロス・ゴーン社長、ソニーの平井一夫社長兼CEO、パナソニック・津賀一宏社長に聞いた。

日産自動車・カルロス・ゴーン社長


              

 ―自動運転の開発の方向性は。
 「4段階で技術の実用化を進める。まず16年に『セレナ』で実用化した高速道路での同一車線の自動運転。近い将来、電気自動車『リーフ』の次期モデルにも搭載する。また高速道路の複数車線での自動運転を18年、街中での自動運転を20年までに実用化する。将来は完全自動運転も目指す」

 ―CESで自動運転車を人が遠隔支援する技術を発表しました。
 「現在の自動運転技術は、人の介在が不要になるまでには至っていない。今後、事故現場に遭遇した時など、AIが判断に迷い、車が止まることはある。自動運転技術を基本としながら、人が後方で支援するのが望ましい」

 ―ライドシェア(相乗り)普及で車の保有率は下がりそうです。
 「保有率は下がっても(グローバルで)販売数は減らないのではないか。人が車を保有するのには、理性的な判断だけでなく(保有したいという)感情的な側面も含まれる。都会で4輪駆動車を買う人がいるように、車は使うためだけに買うものではない」
日産は車に搭載した人工知能(AI)との会話例を披露


ソニー・平井一夫社長兼CEO


            

 ―IoTが一般的になる中で、コンシューマー製品を差別化するポイントは。
 「AIの搭載などの機能価値を徹底追求することはやって当たり前。加えて、デザイン、材質、たたずまい、商品の歴史などで感性に訴えることが重要な軸になる。感性と機能追求をいかに高次元で合わせられるかがソニーらしさにつながる」

  ―AIとロボティクスの今年の展開はどうなりますか。
 「昨年、この分野に特化する組織を私の直下に作った。技術の検討、人材、外から獲得するものなど、商品化に向けた議論を重ねている。さらに人材と資金を投入して商品化を加速する年だと認識している。積極的に展開していきたい」

 ―自動車向け事業はどう進めますか。
 「デンソーに採用されたイメージセンサーのビジネス展開については、デンソー以外の部品メーカーとも議論して着実に進んでいる。自動運転が進展し運転をする必要がなくなれば車内の時間の使い方が変わる。自動車メーカーから車内空間の使い方について議論したいとの話もあるので、そこを一つの焦点として見ていきたい」
ソニーの有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)テレビ


パナソニック・津賀一宏社長


            

 ―CES2017の感想はいかがですか。
 「CES全体は『コネクティビティー』が当たり前になり、進化している。サムスン、LG電子、ソニーの展示はテレビ中心でコンシューマー向けに回帰していると感じた。一方、当社はBツーB事業にシフトし、スマートシティーなど顧客の暮らしの全体を進化させる方向へ役立ちを広げている」

 ―デンバー市(米コロラド州)と進めるスマートシティー事業の展開は。
 「規模よりもチャレンジ領域を広げる意味が大きい。車と車が通信する次世代交通システムの実証もデンバーを皮切りに他都市への広がりを期待したい」

 ―米テスラ・モーターズの工場で電池セルの量産を始めました。
 「毎月1本ずつラインを増設して、歩留まりや電池性能の向上にも取り組むため、大変な状況は変わらない。ただ、車の電動化の加速に我々のモノづくりの力を生かせるという感動は大きい」

 「量産開始にたどり着いた安堵(あんど)感とともに、将来に向けた興奮も覚える。テスラとの協業は太陽電池も含めて範囲を広げたい。自動運転ではセンサーデバイスで貢献できる」
パナソニックは成長が続くエンタメ市場に専門部隊を投入する(CESのブース)

(米ラスベガス=錦織承平、同=杉本要)

日刊工業新聞2017年1月9日

明 豊

明 豊
01月09日
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この後、開かれるデトロイト自動車ショーよりCESの方が、完全に未来のテクノロジーを見せるイベントになった。まさに異業種がつながってサービスやブロダクツとつくる象徴。その中で各社は自社の競争力、利益をどこに求めていくか。逆にとても難しくなってきている。

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