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添加剤を一切含まない100%米粉パン、独自の加熱調理器で実現

コスモバイタル、発酵器と焼成器を月8万円でレンタル
添加剤を一切含まない100%米粉パン、独自の加熱調理器で実現

写真はイメージ

 コスモバイタル(東京都港区、加納勉社長)は、独自の加熱調理器を使い、乳化剤などの添加剤を一切含まない100%米粉パンの開発にめどをつけた。原料の一部に加熱調理器で糊化(アルファ化)した米粉を使い、さらにパン専用の発酵器と焼成器を独自開発して実現した。2017年4月から売り出す。米粉は小麦アレルギーの増加などから近年、食品業界関係者から注目されている。

 低酸素の還元状態において、300度C以上の高温蒸気で加熱する調理器で原料の米をアルファ化。90秒と極めて短い時間でアルファ化米ができる。

 これを粉砕して米粉にすると、短時間加熱により米本来の粘性が損なわれず、通常の米粉と比べ、水にまぜた時に増粘性を帯びる。この粘性があるため、増粘剤や乳化剤を入れずにすむ。パンをつくる際は、通常の米粉にアルファ化米粉を2割配合して使う。

 よりふっくらと、やわらかなパンができるよう、アルファ化米をつくる調理器に加え、温度制御が楽なパン専用の発酵器と焼成器も開発した。

 アルファ化米をつくる調理器は17年4月に約3000万円で販売。発酵器と焼成器は2台1組で月8万円でレンタルする。米粉を巡っては、農林水産省が20年度までに米粉用米の生産量を50万トン(現在は2万トン)に引き上げる政策目標を設定しており、用途開発の機運が高まっている。
日刊工業新聞2017年1月4日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
グルテンフリーの食材はまだまだ進化しそう。

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