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クラリオンが自動駐車用のテストコースを新設

車の周辺検知や画像処理技術の高度化に生かす
クラリオンが自動駐車用のテストコースを新設

福島県郡山市のテストコース

 クラリオンは福島県郡山市の拠点敷地内に自動駐車システムの性能を確認できる専用テストコースを新設し、運用を始めた。実際に市街地で使われている駐車場を再現し、性能の実証実験などに活用する。同社はカメラなどを活用したセンシング技術に強みがあり自動駐車システム用の技術開発を進めている。より高度に技術評価できる環境を整え実用化に弾みを付ける。

 クラリオン東北事業所(福島県郡山市)の敷地内に専用のテストコースを設けた。縦列や並列といったさまざまな駐車場のパターンを再現しているのが特徴。テストコースの運用により、自動駐車システムの主要機能であるカメラなどがとらえた車の周辺検知や画像処理といった技術の高度化に生かす。

 自動駐車システムは空いている駐車スペースをセンサーで把握し周辺状況を検知した上でステアリングやブレーキを自動制御する。ドライバーがハンドルやブレーキを操作せずに安全に駐車できる自動運転技術の一つ。

 クラリオンは自動運転など次世代車の普及を見据えて、自社の強みである画像認識や画像処理技術などを応用し、自動駐車システム用に技術開発を積極化している。

 自動駐車システムをめぐっては、クラリオン以外では富士通テンなどカーエレクトロニクス各社もカーナビ事業などで培ったノウハウを生かし、システムに役立つ技術開発や研究開発投資を活発化している。
日刊工業新聞2016年12月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
日立グループの中で唯一、「日立」の冠が付いていない上場子会社。日立における自動車関連事業の成長路線をどう描いていくのか。クラリオンの役割は大きいし、逆に日立グループでのガバナンスにも注目したい。

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