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ライオン、中国での店頭販売拡大へ。ECの強み生かす

衣料用洗剤「トップ」など商品広げる
ライオン、中国での店頭販売拡大へ。ECの強み生かす

ライオンは中国で店頭販売を強化

 ライオンは中国市場で、店頭販売に力を入れる。中国の日用品やオーラルケアの市場は、欧米や現地メーカーが圧倒的なシェアを占める。ただ、ライオンは同国の電子商取引(EC)市場のオーラルケア分野で首位。これを強みに、2017年は沿海部の都市を中心に、チェーン店との取り組みや販売促進策をテコ入れする。主力のオーラルケア製品のほか、ECで人気が高い衣料用洗剤「トップ」などオーラルケア以外の製品も拡販。欧米や現地メーカーを追い上げる。

 ライオンは中国市場の店頭や大手ECサイトで、オーラルケア製品を中心に販売している。「システマ」ブランドなどが好調で、中国市場の売上高に占めるECの比率は、15年が37%、16年9月末で47%に拡大。17年は50%を超える見通しだ。

 同社は1988年、中国に進出。店頭市場で高シェアを持つ米国大手のコルゲートや現地メーカーに阻まれて、苦戦が続いてきた。そこで、商品ブランドの浸透を図るため11年にEC市場へ参入。現在、中国インターネット通信販売最大手の阿里巴巴(アリババ)集団が運営するECサイト「天猫」で、歯ブラシが売り上げ1位を獲得するなど成果を挙げている。

 主力のオーラルケア以外の製品も好調。中国の消費者が日本製品を購入できる越境ECでは、同社の衣料用洗剤「トップ」や手洗い用ハンドソープ「キレイキレイ」の人気が高い。

 ライオンの濱逸夫社長は、徐々に「オーラルケア以外のカテゴリーでも中国で拡大していく」とし、EC市場の強みを追い風に店頭販売の製品群を広げていく考えだ。

 中国はEC市場の成長が著しい。ユニ・チャームも中国市場の売上高に占めるEC比率は50%を超える。花王は2ケタ成長が続く。日本メーカーの製品は人気が高く、存在感が高まっている。
日刊工業新聞2016年12月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
日本でのブランド、商品の競争力が中国市場でもそのまま跳ね返るのが実情。日本での高付加価値戦略による商品開発もテコ入れを継続的に行っていくことが、中国市場での成長のカギになりそう。

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