「もんじゅ」廃炉は当然の帰結。高速炉研究はどうする?

“ポスト・もんじゅ”の運営主体は首相のリーダーシップで。

 政府の「高速炉開発会議」は、19日の会合で高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を廃炉にする方針を決めた。廃炉作業は2018年にも始め、30年程度かけて行う計画。地元への対応としては、もんじゅサイト内に試験研究炉を新設する考え。同研究炉の運営は全国の大学・研究機関が参画するコンソーシアムが担う。近日中に開く原子力関係閣僚会議で正式決定する。

 文部科学省が会議に提示した工程では、廃炉作業として18―22年央にかけて使用済み燃料の取り出し・保管を実施。その後は解体準備に入り、47年にも解体を終える。廃炉までの費用は約3750億円プラスアルファと試算している。

 松野博一文科相と世耕弘成経済産業相は同日、福井県の西川一誠知事にもんじゅを再稼働させない方針を報告。西川知事は「到底受け入れられない」とした上で、もんじゅを廃炉にする十分な説明と、もんじゅの長期的な安全確保を求めた。西川知事の要請に対し松野文科相は「あらためて回答する場を設けたい」とした。

 廃炉作業を進める一方で、もんじゅでの研究開発は継続する。その上で課題となるのがもんじゅの運営主体。日本原子力研究開発機構に代わる運営主体の特定を求めた原子力規制委員会の勧告に対して、文科省は回答を出せていない。

 もんじゅの廃炉が決まったからといって、運営主体の問題が解決するわけではない。廃炉までの運営をどの組織が担うのか、早急な判断が求められる。

《地元の声》


福井大学付属国際原子力工学研究所所長・安濃田良成氏
 高速炉研究に携わることを志望していた卒業生が心配だ。また、高速炉研究を志す学生が今後途切れるかもしれない。研究炉を新設するというが、もんじゅを解体してから新設するとなれば相当な時間がかかる。敦賀市にはいろいろな場所があるのに、なぜもんじゅサイトにこだわるのか。

福井大学付属国際原子力工学研究所特任教授・竹田敏一氏
 廃止措置中にどのような状態でもんじゅを活用するのか。ゼロ出力のまま臨界に近い状態にすれば、実証炉に向けた研究もできる。また、新設する研究炉は高速炉の研究も可能な施設にすべきだと思う。

福井県敦賀市市議・今大地晴美氏
 廃炉の決定は、敦賀市が新しい道を選べるチャンスだ。廃炉の研究者に敦賀市へ来てもらい、廃炉の研究開発拠点を目指すとよいのではないか。

永里 善彦

永里 善彦
12月21日
この記事のファシリテーター

西川知事は地元を考慮し「もんじゅ」の存続を願望しているが、政府は高速増殖原型炉「もんじゅ」を廃炉にする方針を決めた。殆ど稼働していない「もんじゅ」の実態に鑑みれば当然の帰結だ。ただ廃炉作業を進めながらも、高速炉研究に関しての重要性を政府は十分に認識している。文科省が日本原子力研究開発機構に代わる「もんじゅの運営主体」を決めきれないのなら、安倍首相のリーダシップのもと新しい運営主体を探すか新たにつくる必要がある。ここは利害関係者のことなど考慮せず蛮勇をふるって課題を解決すべきだ。

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