キリン、ミャンマー買収効果はプレミアムビールで

ブラジルの轍は踏まない

 キリンホールディングスは2015年8月、ミャンマーのビール最大手ミャンマー・ブルワリーを約697億円で買収した。海外投資案件としては09年の豪州ライオンネイサン、11年のブラジル・スキンカリオール(現ブラジルキリン)の買収などに続くものだ。

 ただ、キリンは15年度に不振が続くブラジルキリンの企業価値を見直し、のれんの減損処理を計上。約1140億円の特損が発生した。ブラジルキリンは現在、再建を急いでいる。

 また、豪州ライオンネイサンも16年9月末、ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)が英SABミラーを吸収合併した影響で、ABIから輸入のビールのライセンス販売を終了した。このため、シェア低下は避けがたい。結果的にミャンマーの重要性が増している。

 ブラジルキリンが苦戦した理由は同国経済の不振に加え、スキンカリオールが販売シェア2位メーカーで、価格競争に巻き込まれたこと。ミャンマーの場合は約8割のシェアを持つ首位企業のため、懸念はブラジルより小さいといえる。

 だが、安閑としてはいられない。ミャンマーを有望市場と見て、ハイネケンやカールスバーグなど海外大手が参入、競争が激化している。ブランド力や販売体制強化がカギを握る。

日刊工業新聞2016年12月20日

日刊工業新聞 記者

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12月20日
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被買収企業のミャンマー・ブルワリーは中価格帯の「ミャンマービール」やエコノミー価格帯の商品が多く、プレミアム商品強化が急務となっていた。16年にミャンマービールの上位商品となる「ミャンマープレミアム」や、より高価格の「一番搾り」を相次ぎ発売。販売、生産体制もキリン酒類技術研究所のノウハウやグループ調達を生かし、効率向上を進めている。15年10月−16年6月の営業利益は目標数字を上回った。
(日刊工業新聞第ニ産業部・嶋田歩)

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