「本採用まであと一歩」 追従運搬ロボットが打つ次の一手

累計販売台数が100台に迫る「サウザー」、パレット搬送型

 Doog(ドーグ、茨城県つくば市、大島章社長)が2015年に発売した追従運搬ロボット「サウザー」の採用が広がっている。日立物流やPAL(大阪市西区)といった物流事業者のほか、空港、娯楽施設など活用の場は多彩。16年度にも累計販売台数100台が見えてきた。一層の普及には業種ごとの対応やサービスの充実が課題となる。(石橋弘彰)

 「試験的な導入や採用の引き合いは多い。だが、本格的な導入までの検証に時間がかかっている」。大島社長によると、サウザーの普及のペースは想定より遅い。認知度が高まるにつれ、病院や外食、農業、建築といった新たな市場からも採用を検討する動きが出ている。だが、新規採用のため、性能や安全性を確認する検証が必要なことや、利用シーンに応じた多少の仕様変更が必要なケースもあり「本採用まであと一歩」の状況のユーザーがほとんどだという。

 サウザーは120キログラムの重量物を搬送でき、人などに追従する走行と、リードによる手動操縦、テープに沿って自動走行するモードを切り替えられる。走行経路の設定が必要な一般的な無人搬送車(AGV)と違ってすぐ使え、動作変更も簡単なため仕事の変化にすぐ対応できる。広い場所や設備を変更できない場所が有利だ。
パレットを搭載する試作機


 だが、ユーザーのニーズは際限がない。例えば、物流現場では「パレットも搬送したい」「フォークリフトと連携させたい」といった声がある。大島社長は「サウザーの利点を損なわないよう、機能の大幅な変更はしたくない」と話すが、本格採用には双方の折り合いをつけつつ、もう一歩の努力が必要となっている。

 そのため、パレット搬送型のサウザーを試作した。17年度に製品化する。フォークリフトでパレットをサウザーに載せて運ぶことを想定し、フォークに乗ったまま作業者がサウザーに指示を出す機能や、500キログラムの可搬重量を持たせたいという。サウザーにリフトを搭載することも検討している。

 変わり種では、船の甲板や倉庫内作業への対応も進める。AGVは整備されて動かない床が必須条件。一方、サウザーはロバスト(頑健)性が高く、乱雑な場所に強い。他にも障害者雇用施設の中で、作業者の仕事をサポートする利用法も試験しているという。

石橋 弘彰

石橋 弘彰
12月18日
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故障対応や部品交換といったサービス面の強化も今後必須だ。既存の販売代理店との関係強化や、新規の保守サービス企業との連携を図る。シンガポールの空港に試験採用された実績があることから、将来の海外への本格展開も視野に入れた営業サービス網も整備が必要になっている。

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