大きな伸びもなければ落ち込みもない。今のトヨタの生産計画から透ける真実

17年は過去最高の1036万台を計画も、販売に勢いが欠けるのは否めず

 トヨタ自動車は15日、2017年のグループ世界生産台数(ダイハツ工業、日野自動車を含む)を過去最高の1036万6000台(16年見込み比1・3%増)とする計画を発表した。1000万台超えは5年連続。ダイハツの世界生産増加が寄与するほか、トヨタ単体の国内生産も同1・6%増の321万台と、5年ぶりの増加を見込む。高水準の生産計画はサプライチェーンにも好影響を与えそうだ。

 世界戦略車に位置付ける小型スポーツ多目的車(SUV)「C―HR」の生産を日本とトルコで本格化させる。先進国で好調なSUVの国内での生産対応なども全体を押し上げる。

 世界生産の内訳は国内が同3・3%増の416万9000台、海外が同0・1%増の619万7000台。

一方、17年のグループ世界販売台数は同1・1%増の1020万2000台と過去2番目の高水準。トヨタ単体の世界販売も同1・1%増の926万台と過去最高を計画する。

18年の単体生産は911万、台国内減も海外が増加


 トヨタ自動車は2018年の世界生産台数(ダイハツ工業、日野自動車を除く)を、17年計画比13万台増の911万台に設定した。15日、主要部品メーカーに伝えた。国内は同3万台減の318万台と減る見込みだが、海外が同16万台増の593万台に伸びて全体数字を押し上げる。

 トヨタは15日に発表した17年分とは別に、主要部品メーカーに18年の単体の生産・販売計画を通達した。最大市場の中国のほか、アジア・中近東が17年計画に比べ生産台数がそれぞれ10万台程度増える見通し。アフリカと中南米も微増を想定している。

 新型小型スポーツ多目的車(SUV)「C―HR」が17年は欧州などで生産増加に寄与するが、18年には一服感が出ると予想する。北米も次期米大統領の政策次第で不透明感がぬぐえず、欧州とともに17年に比べ微減を見込む。東アジア・オセアニアも減少する。

 18年の世界販売台数は同28万台増の954万台に設定した。内訳は国内が同2万台減の157万台、海外が同30万台増の797万台。北米や中国、アジアを中心に販売台数を上積みしていく構え。

日刊工業新聞2016年12月16日

中西 孝樹

中西 孝樹
12月16日
この記事のファシリテーター

大きな伸びも無ければ、落ち込みもない。今のトヨタの生産動向は、どんな環境にでも確実に持続的成長を続けたいとする経営の方向性が表れている。しかし、販売に勢いが欠けることは否めない。CH-Rは期待の小型クロスオーバーであるが、世界のライバルがBプラットフォームで派生させるに対し、トヨタはCプラットフォームを用いる。走りは申し分ないが、価格は高めにならざるを得ない。豊田社長の掲げた「いいクルマづくり」はトヨタのクルマの魅力を高めていることに疑いは無い。しかし、市場ニーズに最適化させる営業目線は弱まった印象が強い。デザートだけでは体は成長できない。台数を追わない姿勢は評価できるが、台数がついてこない結果は問題なのである。

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