全長600mのコンベヤーを配置、セブン&アイの「ネットスーパー」改革

ピッキングに特化、1日の出荷件数は最大2000件

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は2015年、東京都荒川区にネットスーパー専用店舗「セブン&アイ・HD ネットスーパー西日暮里店」を開いた。受注から商品の調理、ピッキング、配送までの工程をシステムで連動し、「通常のネットスーパーの2倍から2・5倍」(服部功イトーヨーカ堂オムニチャネル推進室総括マネジャー)の効率を上げている。

 通常のネットスーパーでは従業員が注文を印刷した伝票を見ながら、一般顧客がいる売り場で商品をピッキングする。西日暮里店は一般顧客は入れない「ダークストア」だ。通常の店舗とほぼ同様に商品を棚に並べているが、全長600メートルのコンベヤーを配するなど、ピッキングに特化した構造になっている。

 コンベヤーは水平、垂直移動し、商品が斜めになるリスクを抑えている。1日の出荷件数は最大2000件で、他のネットスーパーの約5倍だ。一日当たり配送便数も他店は平均10便だが西日暮里店は23便と、きめ細かい対応を可能にしている。

 ネットから注文を受けると、紙の伝票の代わりに導入したハンディターミナルを用い、バーコードで読み取りながらピッキングをする。順番や品数は自動で指示されるため、経験が浅い従業員でも行いやすい。誤って注文と異なる商品をかごに入れた場合はブザー音で分かるようにし、ミスを防いでいる。

 配送についても、効率的な順序を自動で組んでいる。生鮮品の加工や総菜の調理は可能な限り配達時間が近づいてから始め、鮮度が高い状態で顧客に届ける工夫もしている。
(文=江上佑美子)

日刊工業新聞2016年12月14日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
12月15日
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共働き世帯の増加などでネットスーパーの需要は高まっている。西日暮里店はイトーヨーカ堂(東京都千代田区)の実店舗がない都心部のニーズに応える狙いで開業し、服部マネジャーらが英テスコのネットスーパーなどを参考にシステムを組み上げた。人手不足が深刻な小売業界では効率化は不可欠だ。今後、ノウハウを他店のネットスーパーでも横展開する考えだ。
(日刊工業新聞第ニ産業部・江上佑美子)

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