モーターショーに高校生製作のEV出展へ

愛知総合工科高の挑戦

 愛知県立愛知総合工科高校(名古屋市千種区)の専攻科に在籍する生徒が、樹脂でできた折り畳み式電気自動車(EV)の製作に取り組んでいる。製品企画から製作まで生徒が主体的に進め、2017年10月の東京モーターショーに出展する計画だ。自動運転や「つながるクルマ」などの開発で自動車産業が変革期にある中、若者の視点で新しいクルマのあり方を提案する。

「自動車の常識こわす」


 EVを製作するのは愛知総合工科高校の専攻科に在籍する自動車開発部の5人。車体設計や機械加工などに加え、材料調達や資金調達なども自分たちで進めている。4月にプロジェクトを開始し、現在は車体をつくる型の一部が完成。17年1月頃から実車の組み立てに入り、夏までに完成させる。

 EVは「折り畳む」という意味と従来の自動車の常識を壊す意味を込め「Collapse(コラプス)」と命名。大きさは全長243センチ×幅155センチ×高さ130センチメートル。駐車時などは前後輪の間を起点に折り畳める構造で、全長約160センチメートルまで小型化できる。

 搭乗者を除く本体重量は50キログラム。車体素材に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使い、軽量化する。操縦はステアリングでなくゲームのコントローラで行うほか、学生証などICチップ入り身分証を鍵として使う。
                    


乗り心地も重視


 一方、サスペンションには高級車で使われる「ダブルウィッシュボーン」という形式を採用するなど乗り心地も重視。部長の北村清君(専攻科1年)は「モーターショーでは『若者が乗りたい車』というコンセプトを発表したい」と意気込む。

 愛知総合工科高校は県立の二つの工業高校を統合し16年4月に開校。3年制の本科と、高校卒業後さらに専門技能を学ぶ2年制の専攻科がある。EV製作は専攻科の実習の一環で、本体製作費は約50万円、出展関連費用で約50万円を見込む。

 モノづくりだけでなく材料調達や開発資金の工面なども経験することで、自動車開発の一連の流れを学んでもらう狙いだ。EV製作を指導する田渕英樹教諭は「大人の世界で勝負できる車づくりをしてほしい」と話す。

協力者求む!


 自動車開発部ではEVの開発や製造に協力する企業を募っている。同校専攻科(052・788・7200)で受け付ける。車両に搭載するシステムやモーターなどの部材、製造方法などのノウハウが不足している。これまで地元の中堅・中小企業を中心に11社と話し合い、一部では部材供給が決まった。協力企業にはEVに企業ロゴを貼るなどの対応を検討している。

(文=名古屋・杉本要)

日刊工業新聞2016日12月14日

杉本 要

杉本 要
12月15日
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とても純粋で、とても夢のあるプロジェクト。モーターショーに出展して世間の反応を見る点がミソです。生徒さんたちは企業を訪問してEVをプレゼンし、資金調達や材料調達もやっています。とても貴重な経験になるでしょう。

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