新国立競技場はどう作られる?今日、起工式

世界が注目する大型プロジェクト、施工ポイントをチェック

 2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向け、新国立競技場の工事がいよいよ本格化する。事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は11日に東京都内の新国立競技場の建設予定地で起工式を開く。完成予定は19年11月末で、工期は36カ月。工期を着実に守り工費を抑えるにはさまざまな取り組みや工夫が必要だ。日本だけではなく世界が注目する大型プロジェクトだけに失敗は許されない。新国立競技場の施工のポイントをみる。

屋根工事の効率化カギ


 新国立競技場の建設を巡っては、当初英国の建築家、ザハ・ハディド氏のデザイン案をもとに計画が進んだ。ただ複雑な構造などから総工費が2520億円と膨らんだことで批判が高まり、政府は15年7月に白紙撤回。

 仕切り直しにより15年12月に大成建設、梓設計、建築家の隈研吾氏の事務所からなる共同企業体(大成JV)の提案内容に決定した。総工費は約1490億円と当初より約1000億円抑えている。

 新国立競技場は明治神宮(東京都渋谷区)から皇居に連なる緑豊かな場所に建設される。周囲の景観と調和する「杜(もり)のスタジアム」とし、高さを50メートル以下に抑えたフラットな屋根構造を採用。大屋根や建物外周の軒庇(のきびさし)、建物室内に国産木材を使用し、日本らしい競技場を演出する考えだ。
       


来夏に構造物


 本体工事は11月29日に東京都の建築確認手続きが済み、12月1日に始まった。JSCの池田貴城理事兼新国立競技場設置本部長は「着工してホッとしている。

 着実に工程通り工事が進むように全力で取り組んでいく」と語る。当面は地盤改良工事などを行い、17年夏に構造物の工事に着手する計画だ。

 工事を担当する大成JVは完成期限、コスト、品質、安全、地球環境と周辺環境、セキュリティーに重点を置いて取り組むとして、あらゆる面に配慮する。技術的にはすべての観客席を覆う屋根工事がもっとも難しく、屋根工事をどう効率良く進めるかが、工期順守やコスト抑制で大きなカギを握る。

 屋根はスタンド部分の骨組みに、屋根フレームの片側部分を固定して保持する「片持ち形式」を採用する。長さは約60メートル。類似の構造形式の施工実績はあるが、観客席全体を覆う長さ約60メートルの片持ち形式の実績はなく、新たな挑戦となる。

屋根フレームをユニット化


新国立競技場の完成予想図(JSC提供)

 施工効率化策の一つが屋根フレームのユニット化。地面で組み上げた屋根フレームの鉄骨ユニットを、クレーンで持ち上げてスタンド部分に据え付ける。隣接するユニットを順次接合して屋根を完成させる。

 屋根フレームは全部が組み上がらなくても自立し、スタンドの座席の取り付けやフィールド工事に早期着手が可能。異なる工事を同時にできるようにすることで工期短縮につなげられる。フィールド整備期間を確保するためにも屋根工事の工程管理が重要になる。

 スタンドは鉄骨造を基本としながら鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造を組み合わせて施工する。スタンドのフレームと屋根フレームはシンプルな構造で、楕円(だえん)形のスタジアムのある起点から、時計回りと反時計回りに、同時に施工して施工効率を向上する計画。

 基礎部分はコンクリート部材を工場で製作し、現場で施工効率を向上して省人化や工期短縮を実現していく方針だ。

<次のページ、大成建設・村田誉之社長「確実な作業、繰り返す」>

日刊工業新聞2016年12月9日

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明 豊

明 豊
12月11日
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すったもんだあったがようやく着工へ。ここまできたらしっかりプロマネをやって日本の建築技術を世界にアピールして欲しい。個人的には前の国立競技場の開放感が大好きだった。本来、スタジアムは適度の傾斜や屋根がある方が良いと思っているので、絵だけでなく、出来上がった後に実際の仕上がりを感じてみたい。

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