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ショールームを超えた「ソニービル」、解体後はどうなる?

ショールームを超えた「ソニービル」、解体後はどうなる?

ソニー公式ページより

 開館50周年を迎えた東京・銀座のソニービルが、老朽化により2017年4月に解体される。それまで『It’saSony展』と題し、創業70周年のソニーの歴史を振り返る最後の無料イベントを開催中。

 創業者の盛田昭夫氏は、単なるショールームを超えた文化の発信拠点を目指した。交差点角の30平方メートルほどの『スクエア』は時代を映す鏡となり、数寄屋橋のランドマークとしても親しまれた。

 段差のあるフロアをらせん状に並べた独特の“花びら構造”も名物だ。『〜Sony展』は、もうひとりの創業者・井深大氏の「自由豁達(かったつ)ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」で名高い旧・東京通信工業の『設立趣意書』を低層部に配置し、階を上がるごとに時代の新しい製品をみられる趣向。

 解体後は18年に広場型の『ソニーパーク』として再開する。その後、ビルを建てるかどうかを議論することが展示の最後に示唆されている。

 懐かしいラインアップの中に手になじんだものがあった。高剛性の筐体から、歪みのない音を再生する傑出した性能。長期にわたり製造された音響のプロ御用達の名品で、庶民でも背伸びすれば入手できるのが魅力だった。『カセットデンスケ』は、今もわが家の現役だ。

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「It's a Sony」の歴史


 ソニーは、2016年11月12日(土)から2017年3月31日(金)まで、東京・銀座のソニービル(東京都中央区銀座)で「It's a Sony展」を開催中だ。

 一時閉館に先立ち、ソニービルが歩んだ50年の歴史および今後の進化について、歴代のソニー商品とともに紹介するカウントダウンイベント。「It's a Sony」は、1970年代に米国の広告で使われ始めたタグライン。

 ソニー製品のユニークさや違いを短い言葉で表現したこのフレーズは、世界中にソニーの名前に親しみを持つ大きなきっかけの一つとなった。日本国内では1982年から2000年にかけてテレビコマーシャルのサウンドロゴとしても使用されてた。

 全138日間にわたって展開している「It's a Sony展」は、前半と後半の2部に分かれている。2016年11月12日(土)から2017年2月12日(日)までの前半は、「歴史」をテーマに、日本初のトランジスタラジオ『TR-55』や初代ウォークマン®『TPS-L2』、エンターテインメントロボット「AIBO」など、ソニーが世界に驚きをもたらしてきた商品の数々を、当時の広告などとともに展示。また、アンディ・ウォーホルによる版画「SONY-WALKMAN」や、各界の著名人など10名の思い出のソニー商品をエピソードとともに紹介する「My Favorite Sony」コーナーも設けた。展示商品は約730点にのぼる。

 2017年2月17日(金)から2017年3月31日(金)までの後半は、「未来」をテーマに、2018年夏にオープン予定の「銀座ソニーパーク」の様子を先取りして見れるインスタレーションを展示予定。

【イベント概要】
●会場
ソニービル 1階~4階(〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-1)
●期間
2016年11月12日(土)~2017年3月31日(金)(全138日間)
【前半】 2016年11月12日(土)~2017年2月12日(日)
【後半】 2017年 2月17日(金)~2017年3月31日(金)
●時間
11:00~19:00
●料金
入場無料
日刊工業新聞2016年12月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
「It's a Sony」 これほどシンプルで企業精神を表しているフレーズはそうそう出てこない。自身の「My Favorite Sony」はモニター「プロフィール」です。

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