「指数関数的に半導体需要が膨らむ。装置市場の見通しは明るい」

東京エレクトロン・河合社長に聞く。注力分野は包括提案できるエッチング

 スマートフォンの大容量化やIoT(モノのインターネット)の普及を受け、半導体市場が活況を呈している。一方で微細化の速度は鈍化し、3次元(3D)構造や新素材の活用など新たな潮流も生まれている。半導体製造装置メーカーは、過渡期を迎えた市場をどう攻略するのか。東京エレクトロンの河合利樹社長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

 ―中国事業が伸びています。
 「売上高は2015年10月―16年3月期に比べ60%増となった。中国市場は投資が活発化しており、事業が加速するだろう。先端装置に加え、崑山の工場で中古装置の再生ビジネスやサービスの拡充を図って、需要を取り込む。課題は広い国土をどうカバーするか。工場の稼働計画の進捗(しんちょく)を見極めながら、保守サービス体制を構築したい」

 ―市場の見通しは。
 「17年はもちろん、中国市場が本格的に拡大する18年にかけて、見通しは明るい。中長期についてもIoTの普及により、確実に伸びる。右肩上がりと言うよりも、指数関数的に半導体需要が膨らむ可能性もある」

 ―技術の展望を教えてください。
 「微細化が進む速度は鈍化したが、新材料や新構造などの技術革新は止まらない。従来は個別装置の性能が重視されたが(現在は)求められる技術レベルが上がり、総合的に提案できることが大切になっている。製品や部門に横串を通すような提案をすべく、すでに開発部門の一元化や再編を実施した。次世代デバイスに対して包括的に提案する体制が整ってきた」

 ―注力分野は。
 「ALD(原子層堆積法)成膜と、エッチングだ。幅広いラインアップを抱えるのが我々の強みで、包括的に提案できるメーカーは多くない。求められる技術が高度になればなるほど、ビジネスチャンスは広がる」

 ―他社との協業やM&A(合併・買収)の考え方は。
 「産学連携などのコンソーシアムを活用したい。特に材料分野に注目している。19年度までの中期経営計画にM&Aの方針は盛り込んでいないが、それを否定するものでもない。投資回収やシナジー、ステークホルダーへのメリットが見込めれば考える」

 ―業界再編をどう見ていますか。
 「大きな統合は一服したかもしれないが、潜在性は大きい。(成長の加速という)良い意味で起こる可能性はある」
(聞き手=政年佐貴恵)

日刊工業新聞2016年12月6日

政年 佐貴惠

政年 佐貴惠
12月07日
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「事業環境は確実に明るい」と自信をみせる河合社長。高度な要求に先手を打つことで、先端分野の顧客を獲得し市場を深耕する。残る課題は経営計画の目標で掲げる利益率の向上だ。IoTの普及で拡大が見込まれる旧世代装置を対象に、利益貢献が期待されるサービス事業をいかに拡大できるかが目標達成のカギを握る。

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