ニュースイッチ

縮小続くゴルフ用品市場。クラブの生産能力を50%UPする強気の理由

栃木のメーカー、ササキが新工場棟建設 
 ササキ(栃木県鹿沼市、佐々木政浩社長、0289・60・2233)は、鹿沼市内の本社工場敷地内に工場棟3棟を新設する。主力事業であるゴルフクラブの受注拡大に対応するもので、総投資額は約10億円。これにより年間生産能力を現在の1・5倍に当たる約150万本程度に引き上げ、年間約9億円の売上高を見込む。

 ササキが新設する工場棟の延べ床面積は計約5780平方メートル。2017年4月の本格稼働を目指す。ゴルフクラブヘッドの研磨や塗装、組み立て工程に加え、物流機能も含めた一貫体制を確立する。「需要に対し取りこぼしのないよう対応する」(佐々木社長)方針。

 これに伴い、鹿沼市内の別の場所で研磨や塗装などの工程を担っている工場は3月をめどに閉鎖する。人員や設備は新本社工場に移管するほか、従業員15人程度を新規雇用する計画だ。

 同社はゴルフクラブのデザインや設計、製造をOEM(相手先ブランド)で手がける。今回の設備投資については、日本政策金融公庫宇都宮支店(宇都宮市)と鹿沼相互信用金庫(栃木県鹿沼市)の協調融資3億5000万円が適用された。
日刊工業新聞 2016年12月2日
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 8月にナイキがゴルフ用具事業からの撤退を発表するなど、ゴルフ市場全体を見ると決して「フォローの風」が吹いているわけではありません。にもかかわらず、ササキのゴルフクラブ受注が拡大しているのはなぜなのでしょう。製造技術が優れている、あるいは製造コストが安いといった理由で、他社からの転注を獲得しているのでしょうか。気になります。

編集部のおすすめ