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学校のトイレを「落ち着ける空間に」

TOTOが普及活動。「くさい」、「汚い」はもうごめん
学校のトイレを「落ち着ける空間に」

「学校のトイレ研究会」の良いモデルに取り上げられた中学校の女子トイレ(同研究会公式ページより)

 TOTOはTOTOテクニカルセンター福岡(福岡市博多区)で、「学校トイレ」をテーマに講演会を開いた。「学校のトイレ研究会」の取り組みを河村浩事務局長などが発表した。同研究会は学校や公共施設のトイレ環境改善を目的に、1996年に設立した。

 講演会では学校のトイレがかつて、「くさい」「汚い」などのイメージから、子どもが「近寄りづらい空間」だった状況を解説。洋式トイレの設置やモルタルを使わない乾式工法の床などで、明るくきれいな空間にすることで「落ち着ける空間」へと変えた事例を取り上げた。

 また、4月に起きた熊本地震の後に行った被災者アンケートから、避難生活で不便に感じたことの1位が「トイレ環境の改善」だったことを紹介。災害対策の面からも、トイレ環境を整備する必要性を訴えた。

 講演会は2017年2月に、TOTOミュージアム(北九州市小倉北区)でも開催を予定している。

日刊工業新聞2016年11月25日



校内の要改善箇所1位


 TOTOなど6社が参加する会員組織「学校のトイレ研究会」が実施した学校のトイレに関するアンケートによると、児童・生徒のために改善が必要と思われる学校内の設備・機器の第1位はトイレだった。2009年に実施した前回調査でも第1位で、改修がニーズに追いついていない状況が浮かび上がったという。

 全国の公立小・中学校2000校の教職員を対象にアンケートを実施し、273の回答を得た。トイレの改善を必要とした回答は全体の59%にのぼり、09年の調査に比べて8ポイント増えた。このほか「パソコン・電子黒板」は全体の30%、「省エネ型空調機への更新」は27%にのぼった。

 学校のトイレ研究会はTOTO、アイカ工業、岡村製作所、木村徳太郎商店(東京都文京区)、ロンシール工業、ニイタカが参加している。

日刊工業新聞2016年7月15日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
トイレが綺麗になったからと言ってイジメが減るほど単純ではないが、健全な精神は健全なトイレに宿る。

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