カープ活躍で目に焼き付いた「プルプル」…なんの会社?

ケンユー、マツダスタジアム開設時から広告を掲示

 プロ野球の日本シリーズでパ・リーグ覇者の北海道日本ハムファイターズに2勝4敗で屈し、惜しくも32年ぶりの日本一は逃したものの、25年ぶりのセ・リーグ優勝を遂げた広島東洋カープ。2016年、カープがもたらした大きなうねりは間違いなく全国に波及しただろう。そんなカープの試合に夢中になったファンの中には、ある言葉が目に焼き付いてしまった人も少なくないかも知れない。それが「プルプル ケンユー」。

「神ってる」鈴木選手のちょうど真後ろ


 カープ躍進の象徴は16年流行語大賞の有力候補となりそうな「神ってる」が代名詞の鈴木誠也外野手。熱狂的なカープファンが陣取るライトスタンドを背にしてライトの守備位置につく、その鈴木選手のちょうど真後ろのライトフェンスにその広告がある。

 「プルプル」とは高分子吸水樹脂による尿凝固剤を使った携帯用トイレの商品名。「ケンユー」は、この携帯用トイレなどを製造・販売する企業名だ。同社は16年、創業・設立40周年の節目を迎えた。高校卒業後、証券マン、建材営業を経て31歳で独立し、建友(現ケンユー)を興した社長の占部明雄にとっても、16年はカープ同様にマイルストーン(一里塚)を刻んだ感慨深い瞬間となった。

優勝と40周年


 ケンユーは09年のマツダスタジアム開設時から広告を掲示している。「スタジアムの広告が目標だった」と笑う占部もまたカープファンだ。セ・リーグ優勝後、地元に凱旋(がいせん)したカープナインが優勝ペナントを持ってライトスタンド前を練り歩いた翌日の地元スポーツ紙1面の真ん中には、選手らとともにケンユーの社名が大きく載っていた。

 10月21日、東京都江東区の東京ベイコート倶楽部。「記念式典を開くなら、ここと決めていた」と占部は打ち明ける。一度宿泊して気に入った思い入れのあるホテルに取引先や関係者ら111人を招いて、「創業設立40周年記念式典・祝賀会」が開催された。

広島ではなく東京で


 10年前の30周年の式典は地元の福山市で実施した。しかし今回の40周年の式典は、事業拡大や取引先の増加に伴い、東京で開くことが念頭にあった。

 そして10年後に開くであろう50周年式典。71歳の占部は中心にいるつもりはない。交代時期ははっきりと明らかにしないものの「来年あたりが譲る時期」とし、占部は40周年式典では将来の後継者として、次男で常務の克明を紹介した。

 携帯トイレというニッチ商品を中心に40年を駆け抜けてきたケンユーは、占部の人生の縮図そのものである。(敬称略)

▽所在地=広島県福山市曙町4の7の30、084・954・2600▽社長=占部明雄氏▽従業員=40人▽資本金=1500万円▽売上高=8億円(17年3月期見通し)▽URL=http://www.kenyuu.co.jp/

日刊工業新聞2016年11月15日

昆 梓紗

昆 梓紗
11月15日
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カープを支え続けた「プルプル」。さまざまな面で支え続けた地元企業の数だけ、ドラマがあることでしょう。

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