下町ボブスレーは「若手、ベテラン両方の喜びにつながった」

アクスル周辺部品の加工を手がける、エステー精工の佐川光太郎社長に聞く

 エステー精工は下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会でアクスル周辺部品の加工を手がける。6―9号機のソリでは4点の部品加工を担当。「若手社員に夢のある仕事をさせたかった」という佐川光太郎社長に、プロジェクト参加の影響を聞いた。

 ―社内にはどんな影響がありましたか。

 「若手社員とベテラン社員の両方の喜びにつながった。ベテラン社員が若手社員に、普段とは違う図面に基づく加工を教えながら完成させた。若手社員は達成感を、ベテラン社員は伝わる喜びを感じられたようだ」

 ―社外ではどうでしょうか。

 「東京都大田区の町工場の絆(きずな)が強まった。区内企業の経営者が集まる機会は意外に少ない。仕事の連携以外でも集まる機会が増え、仕事以外の悩みを相談できる関係も築けた。技術継承をうまく進める工夫など悩みを共有している」

 ―協力企業間で工場見学することもあるそうですね。

 「仲がよくなり、交流がしやすくなった。特に部品を渡しに行った際、(メンバー企業の)マテリアルの工場を当社の若手社員に見学させられたのはいい経験になった」

 ―3年間プロジェクトに関わり、印象的だった一幕を教えてください。

 「ジャマイカの選手がプロジェクトメンバーを“家族だ”と言って涙を流し、お礼を言ってくれたことだ。厳しいトレーニングや食事制限の話を聞き、プロの選手に乗ってもらえることを実感した。平昌オリンピックでぜひメダルを取ってほしい」

得意な丸棒加工、偏心・長尺品も


 エステー精工は医療用検査器具や大型印刷機などで使われる鉄製部品の加工を手がける。社内には旋盤やフライス盤などのほか、長い材料の曲がりを直す矯正機も設置。切削、矯正、研磨を一貫して社内で行い、コストダウンと高精度の部品加工を実現する。

 得意とする丸棒加工は長さ1180ミリメートルまで対応。杉江勝治工場長は丸棒の芯の幅を変える偏心加工のスペシャリスト。職人技で同社の技術の根幹を支える。若手社員への技術継承にも挑む。少数精鋭の技術者集団で、世界に誇るモノづくりを続ける。

日刊工業新聞2016年11月9日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
11月11日
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 アクスルは「車軸」のこと。8月10日のニュースイッチで、下町ボブスレーのアクスル加工を手がける東蒲機器製作所さんを取り上げておりますので、そちらもご参照ください(https://newswitch.jp/p/5748)。

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