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スケッチ感覚の操作で、複数のロボットに複数の仕事をしてもらおう

東大がインターフェース開発
 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻の坂本大介特任講師らは、複数種類のロボットに複数の仕事をさせるため、スケッチ感覚の操作インターフェースを開発した。室内カメラの映像に、掃除するエリアや物を運ぶ軌跡を描くと、ロボットへの指令を自動生成して実行させる。家庭用ロボットなどに提案していく。

 将来、家で何台ものロボットが働くとき、個々の機体に作業指令を与えているとそれだけで煩雑になってしまう。共通のインターフェースで複数のロボットを操作し、ロボット同士の衝突などを避けるシステムが必要になる。開発したシステムでは、室内カメラの映像や間取図に作業をスケッチで指示すると干渉を避けた指令を自動で生成する。

 実験では掃除と撮影、物体搬送の3種の仕事を連携して達成した。掃除エリアの指定や搬送軌跡などの指令はコピーして再利用できる。カメラと認識マーカーなどでロボットの位置を測定したり、仕事が重ならないように時間をずらしたりして干渉を避ける。ロボットメーカーやハウスメーカーに提案する。

 ロボット視点で操縦すると何台も操作できず、3次元モデルでは空間の指示が難しかった。部屋の俯瞰(ふかん)図に描き加える指示の出し方はとても簡単だが、システムの自動化が難しかった。
日刊工業新聞2016年11月4日
石橋弘彰
石橋弘彰 Ishibashi Hiroaki 第一産業部
ロボット技術が進化して「できること」が増えれば、今度は何をさせるか指令する側がいかに簡単に指令できるかが重要になる。いまの我々に最も身近なインターフェースはスマートフォン。使い勝手はともかく、すぐ使える便利なインターフェースなので、指令をスマホから出せるようになればロボットがより近い存在になるだろう。

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