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ピッキングで“MUJIN”の広がり

三明機工が提携
ピッキングで“MUJIN”の広がり

教示不要なバラ積みピッキングロボットシステム

 三明機工(静岡市清水区、久保田和雄社長)は、MUJIN(東京都文京区、滝野一征代表取締役CEO)と提携し、年内にティーチレスバラ積みピッキングロボットシステムの販売を開始する。MUJINが開発した動きを教えるティーチングを不要にしたコントローラーを採用。自動車、食品業界などの需要を取り込み、2018年3月期に2億円の売り上げを見込む。

 産業用ロボットのプログラムはティーチング(教示)によって行われる。産業用ロボット需要が拡大する中、ティーチィング技能者不足が課題となっている。

 MUJINは東京大学発のベンチャー企業で、完全ティーチレスのバラ積みピッキングMUJINコントローラー「Pick Worker」を開発。ユーザーはペンダント上でロボットの動作環境を作成、ワークの把持可能箇所の登録、搬送位置や姿勢の登録の三つをするだけで、3週間程度でバラ積みピッキングの立ち上げができる。

 三明機工はこれまでのロボット・FAシステムのノウハウを活用し、産業用ロボットとコントローラーを組み合わせシステムインテグレートする。ランダムに積まれたワーク(対象物)を3次元(3Dカメラ)で認識し、その情報を元にロボットが取り出し、整列させる。自動化ラインの前行程で、より高精度・高効率・安全性の高いバラ積みロボットシステムを目指す。ピッキングは自動化が遅れており、事業の柱の一つに育成する考え。

 三明機工は、ロボット・FAシステム、ダイカストマシン周辺自動化システムなどを手がける。
石橋弘彰
石橋弘彰 Ishibashi Hiroaki 第一産業部
物流関連や弊社主催の「JapanRobotWeek」など、最近の展示会ではMUJINのブースは大人気だ。どれだけの企業がピッキングの自動化に苦労しているかが分かる。MUJINの滝野一征CEOに聞くと「ベンチャーで人が少ない割に仕事の声がけが多く、対応したくてもできない」ともどかしい様子。人員は増やしているようだが、当面は三明機工との提携のように、外部の力を生かしながら技術を広めていくことになるだろう。

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