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北海道産のスギを活用した燃えにくい建材、映画館や病院で使えるように

ハルキ、道内でで初の準不燃認定取得
 ハルキ(北海道森町、春木芳則社長)は、北海道産のスギを活用した「準不燃材料・難燃材料」の国土交通大臣認定を道内で初めて取得し、同材料や木造住宅の骨組み部材を生産する工場を新設する。投資額は約11億円で、2017年4月に稼働する。新たに病院や百貨店などの内装材として販路を開拓し、現在の売上高13億5000万円(16年3月期)を2、3年後に15億円程度に引き上げたい考えだ。

 準不燃材料・難燃材料の認定を取得したスギ準不燃材料・難燃材料は、木材にりん・窒素系薬剤を減圧加圧注入し、表面仕上げにウレタン系樹脂を塗装したもの。

 認定を取得したことで、建築基準法の内装制限によって使えなかった映画館や病院、ホテル、共同住宅、百貨店、展示場、自動車修理工場といった大型の特殊建築物でも同材料の使用が可能になる。今後はこうした大型建築物の内装向けに拡販するため、新たに生産拠点を設ける。

 新工場は木造平屋で、延べ床面積は約1000平方メートル。工場増設に伴い人員も12、13人増やす計画だ。国は森林・林業再生に向け木材自給率を20年までに50%に引き上げる目標を掲げており、需要が増えると判断した。

 ハルキは製材業や木造住宅の骨組みを自動加工するプレカット製品などを手がける。製品一つひとつの品質管理を徹底しているのが強みで、中小企業基盤整備機構北海道本部の支援を受け、「スギ準不燃材料・難燃材料」の製品開発に取り組んできた。

 鈴木正樹企画・開発室室長は「新国立競技場は木材で作るという話もあり、2020年東京五輪・パラリンピックに関わる材料を手がけられるよう力を入れたい」と話す。
日刊工業新聞2016年10月25日の記事に加筆修正
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
戸建て住宅以外での国産スギ材の利用が全国的に広がっています。建築基準法の内装制限によって使えなかった大型施設で、需要が見込めます。

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