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お歳暮にはやっぱりハム・ソーセージ?各社、歳暮商戦で巻き返し

お歳暮にはやっぱりハム・ソーセージ?各社、歳暮商戦で巻き返し

ハム・ソーセージ各社はビールなどに押される歳暮商戦で巻き返しを図る(日本ハムのハムブランド「美ノ国」)

 2016年の歳暮商戦がスタートしたが、贈答品市場全体は縮小傾向にあり、特にハム・ソーセージはビールといった攻勢をかける他の商品に押され苦戦している。ハム・ソーセージ各社は、ブランド戦略の強化や新たな市場開拓により、今年の歳暮商戦で巻き返しを図る。

ブランド戦略・市場開拓で攻勢


 日本ハムの調査によると贈答品市場は近年2―3%減で推移し、16年の歳暮市場も同様の減少が見込まれている。その中でハム・ソーセージ市場は、毎年10%以上縮小しているという。それでも日ハムや伊藤ハム、丸大食品などの大手ハム・ソーセージメーカーは、16年の歳暮販売目標を前年比10%増と強気に設定する。

 日本ハムは16年の歳暮商戦に向けギフトブランド「美ノ国(うつくしのくに)」の販売強化などで、同10%増の426万5000セット以上を目指す。美ノ国は国産豚肉にこだわるハムのセットで、同社歳暮ギフト売り上げの約4分の1を占める。今年発売10周年を迎え、デザインの大幅変更やギフトを受け取る側のキャンペーンも展開する。

 他社もメーンブランド商品を一層強化する方針で、特に国産原料肉を使用した商品を売り込む。伊藤ハムは「伝承」や「黒の誉れ」、丸大食品は「心つづり」「北海道物語」などの販売を集中的に促進する。

 15年の歳暮商戦では、世界保健機関(WHO)がハム・ソーセージなどの加工肉に発がん性があると発表した影響を大きく受けた。各社、16年はこの影響は減少すると見るが、国産原料肉の使用などで安全性をアピールし、売り上げ回復につなげたい考えだ。

 このほか、新たな贈答品市場を開拓するため、40代前半の“団塊ジュニア層”に年配者へのギフト用として、おいしいものを少しずつ小ブロックにした商品を提案する。また、ハムソーセージ以外にも、ローストビーフといった調理加工品の周辺商品も充実させる。各社、歳暮販売全体の底上げを見込む。
(文=大阪・香西貴之)
日刊工業新聞2016年10月25日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
ビールに比べ圧倒的にブランド認知度が低い点も押されている要因。添加物の問題がクローズアップされていましたが、無添加といわれるハムやソーセージは見た目が良くないと感じるものも多く(それが本来の色なのでしょうけれど)なかなか販売も難しい面があるようです。

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