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IHIが無人航空機に参入。救援物資、孤立地域にピストン輸送

IHIが無人航空機に参入。救援物資、孤立地域にピストン輸送

開発するUAV(イメージ=IHI提供)

 IHIは無人航空機(UAV)事業に参入する。不定形の段ボールに入った災害救援物資を安全、人手をかけずに孤立した場所にピストン輸送する。福島県浜通り地域の早期復興を支える新技術・新産業を創出する、国や県の「福島イノベーション・コースト構想」実用化開発プロジェクトの一環。浜通り地域で組み立て、操縦者育成拠点を整備。同地域で中長期に年10億―20億円の売上高を見込む。

 開発するのは大型のUAVと物資保持機構。保持機構は協栄精機(福島県南相馬市)と共同開発する。エンジン駆動による円筒形のプロペラ上のファンを搭載。遠隔操作で物資を保持、飛行する。

 道路の寸断や人員不足の影響で救援物資を孤立地域に届けられないことがあったが、既存のUAVでは長時間航行が難しかったり、積載量が少ないなど課題があるという。

 浜通り地域を拠点として大型のUAVを開発、製造するほか、オペレーターを育成し、中期で20人、長期で40人の新規雇用を見込む。今後、他地域でのUAVの事業展開は未定。実用化開発計画期間は2016年度から18年度まで。
日刊工業新聞2016年10月21日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
IHIは福島県相馬市に大規模な航空機エンジン工場を構えている。今回の事業を含め、地域の雇用創出、産業復興を目指す。

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