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タイでイカ・・・、いやいやタイでイカ天工場です。

定番のおつまみもグローバルに
 マルエス(堺市中区、田中稔朗社長)は、2017年7月、つまみのイカフライ(イカ天)工場をタイに新設する。タイに輸出しているイカ天を、現地生産に切り替える。土地代も含む投資額は7億2000万円。将来はタイから東南アジアをはじめ、世界に出荷する。国内にも袋詰め工場を設け、競争力を高める。これらにより19年7月期に、売上高を16年7月期比10%増の約53億円を目指す。

 マルエスは工場を運営する100%出資の子会社「マルエス・ファクトリー・タイランド」を、近くバンコクに設立する予定。資本金は約3億円。工場はラヨン県で、原料の剣先イカを調達できる水産市場に隣接する。

 約6万平方メートルの敷地に、2階建て、延べ床面積4630平方メートルの工場棟を建設し、焙焼機からフライヤー機、包装機までの一貫生産設備を1ライン導入する。イカのスルメや丸焼き、ノリのフライも生産する。1ラインの年間生産能力は、円換算で約5億円。生産規模は今後詰める。長期には、工場棟とラインの増築も検討する。

 マルエスはソフトタイプのイカ天で、国内の推定シェア30%を握るトップメーカー。タイには15年に販売会社を設け、日系コンビニエンスストアなど10社以上の小売業に、輸出して供給している。米国や中国、フィリピンにも販社を設けており、海外売上高は年間約4億円。

 今後はタイでコストを抑えて大量生産し、東南アジアを皮切りに世界へ輸出して販売を伸ばす。

 国内でも17年8月に、第2工場(大阪府和泉市)の隣接地に袋詰め工場を新設する。投資額は4億円。袋詰めの衛生的な作業環境を整備して、小売業に高い品質を訴求する。国内でも成長の余地を見込み、供給拡大や新たな顧客開拓に結びつける。

日刊工業新聞2016年10月20日
尾本憲由
尾本憲由 Omoto Noriyoshi 大阪支社編集局経済部
おつまみの定番が海外生産されるだけでなく、世界に市場が広がっているとは・・・・。そのうちイカ天もIKATENで通じる日が来るのだろうか。

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