震災を機に23年間使い続けた設備を更新、ランニングコスト50%以上削減

武田紙器

 化粧品、食品などのパッケージを製造する武田紙器株式会社(千葉県柏市)。小ロットから大量生産まで対応し、大小さまざまな製品を生産する。
 近年では「柏アッセンブルセンター」を開設し、商品の詰め合わせ作業も請け負っている。外箱、内箱の生産から箱詰めまで、多品種少量生産を武器に事業を展開している。またパッケージデザインや店頭ディスプレイ用の紙製什器なども手掛けている。

23年間使い続けた空調設備を一新


 現在の段ボール工場は約23年前に移転してきた際に建設した。多品種を取り扱うため段取り替えも多く、40名ほどが働いている。

 そんな同社を襲ったのが2011年3月11日に発生した東日本大震災。直接的な被害はなかったものの、計画停電の区域に指定された。停電期間中は空調が止まり、さらに新たな設備を導入したことで電気料金も上がったため、これを機に23年間使い続けた空調設備の一新を計画することになった。「はじめは会社で発電しようとも考えたのですが、設備投資費用の回収が難しいこともあり、電気代節約効果の高い機器への置き換えを検討しました」(同社取締役総務部統括の郡 信行氏)。

(郡 信行取締役)

 従来、冷房は電気ヒートポンプ(EHP)の空調、暖房は重油設備を使用していたが、日本瓦斯からの紹介を受け、LPガスを使用したガスヒートポンプ(GHP)への転換を検討開始した。「要望をふまえ、空調のランニングコストを従来の50%に削減することを提案しました。EHPと比べると電気使用量は10分の1になりますので、ピークカット効果は非常に高くなります」(日本瓦斯執行役員総合エネルギー事業部TEDグループ部長の平田邦臣氏)。

CO2は60%削減


 機器の導入にあたり、工場内に新たなスペースを確保。室外機の置き場を作るために駐車場を若干狭くしたこともあったが、比較的スムーズに置き換えが進み、2015年12月25日に稼働を開始。設置した機器はGHP4台、LPガスのバルクはかつて重油タンクがあった場所に設置した。

          (駐車場に設置したGHP)

 稼働開始後、1~3月の空調にかかったエネルギー使用料金は、LPガス代で25万円。前年の電気代は70万円だったので、45万円の削減となった。CO2は60%削減と大きな成果が出た。「全体の電気代は生産設備の稼働状況によっても変わってくるのですが、毎月10万円くらいは削減できています」(郡氏)。

 電力デマンド値は、夏季に入り冷房を動かし始めた6月を見ると19キロワット削減できている。「夏季の検証が終わっていないので何とも言えない部分がありますが、冬は効果が出ています。夏も期待できると思われます」(平田氏)。

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