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悪天候でも映像くっきり。クラリオンが水滴・汚れ対策の車載用カメラ

来年中に投入。自動運転用に完成車メーカーへOEM供給も
悪天候でも映像くっきり。クラリオンが水滴・汚れ対策の車載用カメラ

右がコーティングしたレンズ

 クラリオンはレンズに水滴がつきにくい市販向け車載用カメラを2017年内に投入する。撥水性の高いコーティング材をレンズ表面に施し水切れを良くした。カメラ本体の耐久性向上や悪天候でもカメラがとらえた映像をはっきりと確認できる点を訴求する。まずカー用品店などで扱う市販用で車の後方をとらえるバックビューカメラに採用して販売する。将来的には自動運転車を手がける完成車メーカーなどへの直接提案を検討する。

 クラリオンは車室外に取り付ける車載用カメラへの採用を想定し材料メーカー、レンズメーカーと共同で、レンズ専用の撥水材を開発した。同材料を独自技術でコーティングすることで、レンズに水滴が付着してもすぐに表面から流れる。大雨など悪天候時に泥などが付着した場合でも、水がかかればすぐに落ちる。

 従来の車載用カメラは防水には対応しているものの、レンズ表面に撥水加工を施しているわけではなく、水滴がついたままになりやすかった。このためカメラがとらえた映像が見づらくなり車を駐車する際に、運転の妨げになる課題があった。

 車載用カメラは車の高機能化で1台当たりに搭載される数が増加傾向にある。自動駐車システムや自動運転車を実現するための基幹部品の一つでもあり、より画像を鮮明にとらえたり、認識したりする技術が求められている。クラリオンはこうしたニーズを見据えた製品や技術開発を強化している。

日刊工業新聞2016年10月6日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
開催中のシーテックでは日立のブース横はクラリオン。日立の上場子会社の中で、唯一「日立」の冠がついていない。にわかに事業再編の報道が出始めた日立。今後、自動運転技術の重要性が高まる中で、 日立オートモティブシステムズを含めグループの自動車機器事業のリソースをどうまとめていくかにも注目。

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