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下町ボブスレー、加工以外のPRでも手腕を発揮する女副社長

神代工業の皆方恵美子副社長に聞く
下町ボブスレー、加工以外のPRでも手腕を発揮する女副社長

神代工業の皆方恵美子副社長

 神代工業の皆方恵美子副社長は下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会で、積極的な周知活動を展開している。加工に関われる部分は少ないが、さまざまな活動を通じてプロジェクトを支えたいという。皆方副社長にプロジェクトでの取り組みについて聞いた。

 ―加工以外でどのような関わり方があるのでしょうか。
 「周知活動やイベントの手伝いなどさまざまある。当社では技術的な相談に乗ることもある。東京都大田区内には部品を加工できなければプロジェクトに関われないと思っている企業も多いがそうではない」

 ―周知活動はどのようなことをしたのでしょうか。
 「地元の小中学校にパンフレットを配り、授業の題材にしてほしいとお願いした。今後、協力企業と学校が連携して町工場の技術を知ってもらう授業ができればと思っている。まずは地元にプロジェクトを広めたい」

 ―ソリの完成度を高めるために、課題はあると思いますか。
 「協力企業にも選手に直接話を聞ける場が必要だと感じる。じかに意見を聞くことで新たにやれることが出てくる。いろいろな人が選手の意見を聞けるような交流の場を設けてほしい」

 ―プロジェクトに対する思いを教えてください。
 「夢のあるプロジェクトに関われるのはうれしい。“やりがいにつながる何か”も見つけたい。メンバーには、みんなでやったんだと実感が持てる機会を増やしてもらいたい」

0.001㎜の精度で金属研削


 神代工業は金属の研削・研磨を手がける。主力は内筒研削と平面研削。工業用クロームメッキもセットで提供できる。技術を武器に多分野で信頼を勝ち得ている。


<精度を出すために綿密に研削機を調整する>

 強みはプラスマイナス0・01ミリ−0・001ミリメートルという精度の高さ。扱う加工は機械に組み込む部品が中心で、大きすぎず小さすぎず、きちんとはまるように加工する。

 バフ研磨を担当するのはこの道50年以上の職人。技術に加え、経験に基づいたノウハウも持つ。仕事は最後まで「真心」を込めて加工に取り組む。
日刊工業新聞2016年9月28日
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 「協力企業にも選手に直接話を聞ける場が必要だと感じる」と皆方副社長は指摘されています。さすがにジャマイカの選手を頻繁に日本に招くわけにはいきませんが、SNSなどのツールをうまく活用すれば「距離の壁」はある程度カバーできるのではないかと思います。あとは「言葉の壁」をどう乗り越えるか。ケィディケィの佐藤社長への期待がますます高まりそうです(笑)。

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