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好調スバル、商機逃さず「納車を1カ月は短縮したい」

国内販売担当役員に聞く。新型インプレッサ「実物のほうが格段にいい」
好調スバル、商機逃さず「納車を1カ月は短縮したい」

新型インプレッサと吉永泰之社長(右)

**専務執行役員スバル国内営業本部長・細谷和男氏
 ―国内新車市場が低迷する中、スバル車の受注は堅調です。
 「受注は前年越えが続き、4―7月までは前年を10ポイント程度上回った。2015年は全面改良モデルの投入がなく当初は危機感を持っていたが、宣伝手法の見直しやマイナーチェンジが奏功し、落ち込みはほとんどなかった。原点回帰して既存商品の強みを再度アピールしたことが数字に結びついた」

 ―全面改良した新型インプレッサの発売が今秋に迫っています。
 「新車台を採用したスバル次世代車のトップバッターを飾る商品で、かなり気合が入っている。ただ我々だけ力が入っていてもだめ。夏休みにサービスエリアやショッピングモールに商品を展示した際『写真より実物のほうが格段にいい』と評価する声を多くいただいた。商品の魅力をダイレクトに伝える機会を積極的につくっていく」

 ―スバル車は納車までの時間が長いのが課題です。
 「生産能力の問題で現在は納車まで平均3カ月程度待っていただく状況が続いている。新型インプレッサは北米向けは米国工場で生産する体制になるため以前よりは国内の受注に対応しやすくなると思う。少なくとも1カ月は短縮したい。あとはユーザーの車検のタイミングに合わせて早めに商品を提案したり先行予約の時期を早めるなどし、商機を失わないようにする」

 ―スポーツ多目的車(SUV)など登録車が稼ぎ頭です。軽自動車販売を続ける意義は。
 「軽は地方で需要が底堅く販売店を維持するためにも我々にとって重要な商品であることに変わりない。今後も続ける。国内市場では20年度にかけて登録車12万台、軽自動車で3万台規模の販売数量を維持していく」

 ―国内販売を維持するための戦略は。
 「これまで通り大手にはない特徴を持つ差別化商品を出し続けると同時に、アフターサービスの充実が欠かせない。全国に460ある販売店の改装に順次着手しており、商談しやすい空間作りを進める。最近は我々がベンチマークしている輸入車からの乗り換え需要が増えている。目の肥えた新しい顧客の期待を裏切らない販売体制を築かなければならない」

 【記者の目・課題の供給不足、解消なるか】
 新型インプレッサを皮切りに今年以降、新車台「スバルグローバルプラットフォーム」を採用した全面改良モデルが間断なく投入される予定。新車台で走行性能や安全性が高まったスバル車の勢いはしばらく衰えないだろう。新型インプレッサは日米同時生産される。課題の供給不足がどの位解消するのか注目したい。
(下氏香菜子)


日刊工業新聞2016年9月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自分が自動車担当だった2007年にインプレッサがフルモデルチェンジ(3代目)して発売されたが、CMキャラクターに妻夫木聡が起用されたのが一番印象に残っているくらい。これが会社の勢いというものか。今回のCM楽曲にはドリカムの「LOVE LOVE LOVE」が流れている。「愛でつくるクルマが、ある。」というテーマが込められているそうだ。

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