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イオン店舗、来年からAR活用した電子看板型の自販機導入へ

写真データを活用、広告表示などに付加価値
イオン店舗、来年からAR活用した電子看板型の自販機導入へ

4月にイオンモール幕張新都心内に試験設置したAR搭載のデジタル自販機

 イオンディライトは、現実の世界にデジタルの情報を融合する拡張現実(AR)を活用したデジタルサイネージ(電子看板)型自動販売機の設置を2017年に始め、同年内に180台の設置を目指す。当面はショッピングセンター(SC)のイオンモールや総合スーパーマーケット(GMS)のイオンなど、イオングループの店舗に置き、集客につなげる。

 イオンディライトは4月に、ARを搭載したデジタル自販機を、イオンモール幕張新都心(千葉県美浜区)で試験的に設置した。自販機に搭載したカメラで利用者を撮影すると、町娘や武者に扮(ふん)した写真が表示される。写真データは2次元コードを活用して取得できるようにした。実証実験では利用者が想定を大きく超え、自販機を量産するめどが立ったことから展開を決めた。

 同社は施設管理会社で、自販機の運営も手がける。電子看板を装備するデジタル自販機の設置数は現在の1200台から、17年2月末までに2000台に増やす予定だ。

 電子看板を利用し、総務省が発信する防災情報の表示も11月には始める。広告を表示して収入を得る仕組みも16年内に確立したい考えだ。

 スーパーマーケットとの価格競争などで、飲料を中心に自販機の市場は縮小傾向にある。日本自動販売機工業会の調べでは、15年末の飲料自販機の台数は前年比0・8%減だった。イオンディライトは付加価値の高い自販機で差別化する。
日刊工業新聞2016年9月16日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
固定設置された自販機ではARの良さがあまり活かせないのではないかと思うのだが。顧客にとってキラーアプリが必要。

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