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DMG森精機、中国・欧州の生産体制再編

拠点数の余剰感解消へ
DMG森精機、中国・欧州の生産体制再編

スイス・ディキシー工場の工作機械の生産現場(2015年1月)

 【シカゴ=六笠友和】DMG森精機は中国と欧州の生産体制を再編する。上海工場の生産を終了し、天津工場に移管する。欧州ではスイスのディキシー工場を閉鎖する。販売台数は増えているが、生産効率が高まったために拠点数に余剰感が出ていた。いずれも9月末に着手する。2016年度は閉鎖に伴い特別損失が発生するが、一連の再編により、17年度には40億円規模の利益改善を見込む。

 中国国内向けの低価格モデルが中心だった上海工場は生産を終了するが、工作機械と周辺装置の組み付けや営業拠点として活用する。ディキシーの生産はドイツのフロンテン工場に集約する。ディキシーは手仕上げで精度の高さにこだわった中・大型のマシニングセンター(MC)などを扱ってきたが、同程度の精度を機械加工で実現できるようになったこともあり、専用工場を維持する必要性が薄れていた。

 DMG森精機は同じく9月末に千葉県船橋市の生産拠点を閉鎖する計画を持つ。上海工場は旧DMG MORI(現DMG森精機)が設立した生産拠点。一方、ディキシー工場は、DMG森精機が06年にスイスの工作機械メーカー、旧ディキシー(同)を買収する形で取得していた。

日刊工業新聞2016年9月13日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
11月には日本で2年に1回の日本国際工作機械見本市(JIMTOF)が開かれる。イケイケだった工作機械業界も今年半ばから潮目が変わりつつある。受注の大幅な落ち込みはないだろうが、今後、各社で構造改革案件が出るくる可能性がある。

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