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CMソング「♪スジャータ」が音商標に登録

 スジャータめいらく(名古屋市天白区、日比治雄社長)が製造販売するコーヒー用ミニミルク「スジャータ」。このCMでおなじみのメロディー「♪スジャータ、スジャータ」が、特許庁の新たな商標制度「音商標」に登録された。

 この曲は製品を発売した1976年以降、40年にわたってテレビやラジオの広告に使用している。長年培ってきたブランドイメージを守るため、2015年4月の音商標の制度開始にあわせ出願申請をし、8月5日に登録となった。

 曲冒頭の「♪スジャータ、スジャータ」と最後の「♪スジャータ」の2カ所の登録が認められ、商標として保護の対象になった。音商標は、15年4月から受け付けを開始した新商標制度の一つ。これまで約450件ほどの出願があり、50数件が登録になっている。

商標いろいろ、ブランド確立へ選択を


日刊工業新聞2016年3月29日


 昨年4月1日に改正商標法が施行され、登録できる商標のタイプが増えた。

 改正前の商標法では商標の定義は「文字、図形、記号若(も)しくは立体的形状若しくはこれらの結合またはこれらと色彩との結合」と規定され、「文字商標」「図形商標」「記号商標」「立体商標」「結合商標」の登録が可能であった。

 これら商標に加えて「動き商標」「ホログラム商標」「色彩のみからなる商標」「音商標」「位置商標」が商標として新たに登録できるようになった(新タイプの商標の説明を別表に記載)。

 商標を目印に商品を購入したり、サービスを利用したりすることも多い。これは商標に商品・サービスの「安心」や「信頼」といったブランドイメージを抱いているからである。

 商品・サービスのブランドイメージを高めるため、CMの音楽にのせて企業、商品名を歌ったり、色彩などのデザインにこだわったりする。しかし、ブランドの信頼が高まったところで、悪意のある他社に模倣されれば損害を被る。今回の改正で企業の商品・サービスとして、識別できる音や色彩、動きも、条件を満たせば権利を保護されるようになった。

 逆に登録せずに他社から登録されると利用できなくなる恐れもあるので注意が必要である。中小企業もインターネットで全世界に情報を発信できる時代である。今後は商標のどのタイプを登録してブランドイメージを保護するかの判断も大切になるだろう。
(文=中小企業診断士・原田英明)
日刊工業新聞2016年9月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
「♪スジャータ、スジャータ」はほんとに耳に残るメロディー。名前の由来は、修行中のインドのお釈迦様に乳粥を上げた娘さんから来ている。他社では味の素の食品や大正製薬の栄養ドリンクなどのサウンドロゴは音商標で認定を受けている。

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