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あなたの企業は「健康宣言」していますか? 中小版の認定基準

経産省が今秋からスタート。数百法人が認定される見込み
 経済産業省は、今秋から中小企業を対象に始める「健康経営優良法人」の認定基準を固めた。従業員数が製造業300人以下、卸売業100人以下など、対象とする中小企業の規模を定義。さらに同100人以下の医療法人も対象にする。まず健康経営に取り組むことを自ら宣言することを必須条件とし、1万法人を集める。その上で、役員以上を責任者に据えるなどの条件を満たした法人を「健康経営優良法人」として認定する。認定数は、少なくとも数百法人になるとみられる。

 業種別の従業員数は、製造業と卸売業以外では、小売業が50人以下、医療法人とサービス業が100人以下。認定の審査条件としては、健康経営宣言が必須。さらに役員以上の責任者を求め、各法人が組織として一貫して健康経営や従業員の健康づくりに取り組む体制を求める見通し。

 また専門職である産業医や保健師の参画を求め、健康増進の計画立案や検討に生かすことや、保険者との連携も認定条件に加えるとみられる。

 企業に対する健康経営の認定は、主に大企業を対象に2016年度から始めた顕彰制度「健康経営優良法人 ホワイト500(ホワイト500)」がある。中小企業向けでも、この基準を原則適用する。ただ、中小企業を対象とする制度では、「ホワイト500」の必須要件をある程度緩和しなければ実効性を伴わない恐れがあり、実態に合わせた形を詰めている。

 中小企業にとっては、「健康経営」への取り組みを通じ、従業員の生産性向上や優秀な人材の確保、企業のイメージアップなどにつながることが期待できる。
日刊工業新聞2016年9月6日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
社員の健康を大事にする企業を讃えるのは良いが、どうせやるならば、厚労省や財務省とも連携し、認定企業の社会保険料負担を減らすなど、もっとインセンティブをつけた方が良いのではと思う。

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